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天神が慌てた博多のヒット…新作は「コト消費を叫ぶ」百貨店の復活劇  街ネタ描いて20年の劇団・大塚氏に聞く

6/1(木) 11:13配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

 福岡の百貨店や乗り物のかぶりもので街や企業の歴史やドラマを描いて20年。劇団ギンギラ太陽’sがそんな節目に新作のテーマに選んだのが「コト消費」だ。小売業界で盛んに唱えられる増収策で、インターネット通販が及ばないリアルな体験やサービスが売り物。爆買いブームが一巡した今、「百貨店本来の魅力を取り戻すキーワード」と語る、主宰の大塚ムネトさんに見どころを聞いた。

■天神が慌てた博多のヒット

 -公演のタイトルは「デパートの中心でコト消費を叫ぶ」(6月5~6日)。今回、「コト消費」に焦点を当てた理由は。

 「(商業地として)博多が復活した大きなキーワードが『コト消費』だったと思う。(2011年3月にJR博多駅ビルの)『博多シティ』が開業し、ただでさえ駅にスペースを割かれているのに、売り場は物販中心ではなく、イベントステージやゆっくりとくつろげる場所をつくった」

 「当時は『売り場を減らせば、利益が減る』とみられていたが、これが見事にヒットした。慌てたのは(福岡市中心部の)天神地区の商業施設だ。エスカレーターの周りにイスやフリースペースを設けるところも出てきて、大きな影響を与えた。公演では、そんな驚きや、そもそも(博多シティの核店舗の)博多阪急がコト消費を仕掛けたきっかけも描いた」

 -百貨店が変わる潮目になるか。

 「そう思う。でも、新しいようで、実は、懐かしいことでもあると思う。子どものころ、百貨店に行くだけでドキドキ、ワクワクした。屋上に遊園地があったり、レストランでスパゲティナポリタンを食べたり、世界の爬虫(はちゅう)類展なんかもあったりした。昭和の庶民はモノがいっぱいあるだけでワクワクしたけど、今はモノいっぱいが当たり前」

 「そんな中、百貨店はいつの間にか有名ブランドをたくさんそろえ、競い合うようになった。店員もブランド店から派遣され、売り場を広げても、結局はテナントへのフロア貸し。いつしか不動産業のようになって、個性が薄れていった」

 「すると、今度はもう百貨店に行きたい、という客の動機が薄れてくる。物販だけなら、ネット通販で安いモノを探して買おう、となるのは必然だった」

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