ここから本文です

春ドラマ“視聴率トップ”天海祐希主演の「緊急取調室」、人気のヒミツとは?

6/1(木) 7:10配信

dmenu映画

今年の春クールの民放ドラマの中でトップを走り続けているのが、テレビ朝日系列で放送中の木曜ドラマ「緊急取調室」だ。3年ぶりのシーズン2だが、その人気の秘密はどこにあるのか。

【画像】まるでスケキヨ!?な天海祐希

“密室”で行われる演技合戦

2014年にスタートした「緊急取調室」のユニークな点は、取調室が可視化されているという設定にあった。警視庁捜査一課緊急事案対応取調班(通称キントリ)のメンバーは、それぞれ二人ずつで取り調べを行うが、その取り調べは同時進行で別のメンバーにも見られている。本来“密室”で行われているはずの取り調べが、言ってみれば生中継で「共有されている」シチュエーションが、これまでの刑事ものになかったチームプレイを編み出した。そして、そのメンバーを演じるのが、天海祐希、田中哲司、でんでん、大杉漣、小日向文世という芸達者たちだったことがとにかく大きい。メインの舞台である取調室は、可視化されているとはいえ室内の人間にとっては密室であることに変わりはない。その密室で、手練れの役者たちが芝居の凌ぎを削る。その臨場感が、ダイナミックなうねりを呼んだのだ。シーズン2でも、その痛快さは健在といえる。

犯罪の“プロ”と“アマチュア”を見つめる

筆者はシーズン1のノベライズを執筆した。その上で言えるのは、本作のパワーの源はやはり脚本にあるということ。脚本を担当しているのは、井上由美子。2014年に連続ドラマとして放送され、今年6月には映画版も公開される話題作「昼顔」の脚本も担当したベテランだ。井上の脚本はキメが細かく、さらに思い切りがよい。ドラマを観る醍醐味を絶妙に衝いてくる。

巧みなのはメインキャラクターの描写ばかりではない。容疑者の人間性に肉薄する様も見事だ。第3話では、ある殺人事件の容疑者となった夫婦が、互いに食い違う証言をしながら、やがて“結びついていく”様子を軽妙に描いた。

相手をかばい合っていたかに見えた夫婦の仲の悪さが、やがて見えてくる構成。だが、物語はそこに留まらず、真の関係性も明るみにしていき、事件が夫婦である二人の“共同作業”であったことを映し出す。二転三転する展開が唐突にならないのは、夫婦を単なる犯人ではなく、個性豊かな人間の一人ひとりとして見つめているからだろう。

彼女の脚本は、容疑者をただの悪役にはしない。むしろ、取り調べのプロの前で、懸命に嘘をつこうとする“犯罪のアマチュア”の様子を描き出している。しかし、取り調べのプロも、素人の嘘を必ず見破れるわけではない。ときには、何度か騙された末に、真実に辿り着くこともある。

つまり、本作の面白さは、人間と人間の対峙。そこには、キャリアや立場の違いを越えた真剣勝負がある。容疑者はもちろん、刑事も常に完璧なわけではない。だからスリリングで、味わい深いのだ。

シーズン1のように、メインキャクターの紹介が必要ないだけに、より物語構成には磨きがかかった印象のある「緊急取調室」。シーズン1では、天海扮する主人公の夫が殺された事件の真相も暴かれたが、シーズン2にはどんな仕掛けが施されているのか。そこが後半戦の大きな見どころになるだろう。

文/相田冬二@アドバンスワークス

最終更新:6/1(木) 7:10
dmenu映画

Yahoo!ニュースからのお知らせ