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リチウム―硫黄二次電池、高容量と長寿命両立 大阪府大が正極材開発

6/1(木) 14:30配信

日刊工業新聞電子版

■可逆容量、硫化リチウム単体の2倍以上

 大阪府立大学大学院工学研究科の辰巳砂(たつみさご)昌弘教授と林晃敏教授らは、高容量と長寿命を両立したリチウム―硫黄二次電池向け正極材料を開発した。硫化リチウムベース固溶体を用い、硫化物固体電解質と組み合わせた。硫化リチウムの理論容量とほぼ同じ1100ミリアンぺアアワー毎グラム以上の可逆容量を実現。充放電2000サイクルでも容量劣化しなかった。高容量で長寿命のポータブル電子機器や非常用電源の開発につながる。

 リチウム―硫黄二次電池は理論エネルギー密度が高いが、可逆容量の小ささと電極反応時に多硫化リチウムが有機電解液に溶出し、容量が劣化するのが課題だった。

 研究グループは、硫化リチウムとヨウ化リチウムの固溶体で硫化リチウム単体の2倍以上の可逆容量を確認。従来の硫化リチウム正極で起きた充放電1000―1500サイクルでの容量落ち込みもなかった。

 今後、正極層の圧膜や固体電解質層の薄膜、高エネルギー密度の負極材料の開発を進める。全固体リチウム―硫黄二次電池の実現を目指す。