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自由貿易交渉、来月節目に-TPP11・日欧EPA、相次ぎ会合

6/1(木) 16:34配信

日刊工業新聞電子版

■米けん制へ進捗期待

 自由貿易圏の拡大に向けた交渉が7月に節目を迎える。米国を除く環太平洋連携協定(TPP)署名11カ国による首席交渉官会合が国内で開かれるほか、日・欧州連合(EU)経済連携協定(EPA)の大枠合意に向けた首脳会談も7月開催で調整する見通し。いずれの交渉もハードルは高いが議論の前進が期待される。一方、米中による貿易交渉「100日計画」が7月中旬に最終日を迎え、対日圧力を強める機会となるかが懸念される。

 5月27日に閉幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)は「保護主義と闘う」との首脳宣言を採択したものの、トランプ米政権は自国第一主義を貫き、自由貿易の枠組みは依然、揺らいでいる。

 米国を除くTPP11カ国による首席交渉官会合は7月中旬に神奈川県箱根町で開く方向で調整中、日本は議長国だ。11カ国が反保護主義で結束し、日本は交渉を前進させる主導力が求められる。

 5月の閣僚会合では「早期発効を目指す」との見解で一致した。ただ対米輸出の拡大をもくろむカナダやメキシコ、ベトナムなどが早期発効に慎重姿勢を示すなど各国間には温度差がある。11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて開かれるTPP閣僚会議までに、課題を整理できるかが当面の焦点になる。

 また7月7、8両日にドイツで開かれる主要20カ国首脳会議(G20サミット)に合わせて日EU首脳会談も開かれる見通し。5月の首脳会談ではEPAの大枠合意は「手の届くところまできている」とし、早期合意を目指す考えで一致した。

 だが13年に始まった交渉は課題山積。EUは乗用車関税見直しの見返りに、乳製品や豚肉などでTPP以上の市場開放を求めている。TPPや対米貿易交渉にも影響する内容だけに、日本は国益を見据えた難しい政治判断を迫られそうだ。

 一方、米中首脳会談で決まった貿易不均衡是正に向けた「100日計画」が17年7月16日に最終日を迎える。すでに両政府は10分野で合意。米国の液化天然ガス(LNG)業者による中国への輸出拡大、中国からの鶏肉製品の輸入解禁、米国産牛肉の中国輸入も7月16日までに始まる。

 トランプ政権による2カ国貿易交渉の初の成果であり、中国とともに名指し批判された日本への圧力が強まる契機になりかねない。年内には日米経済対話の第2回会合とトランプ大統領訪日が予定され、日米2国間交渉で日本が何らかの妥協を迫られる可能性が強い。

 日本はTPPと日EU・EPAをめぐる国際貿易ルールの枠組みを早期に固め、これを市場開放の「上限」とするメッセージを米国に伝えるしたたかな交渉力が必要だ。