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変わる東海道新幹線の夏 初めて「上着なし」に JR東海、接客制服25年ぶり一新

6/1(木) 17:33配信

乗りものニュース

白のダブルスーツは見納めに

 JR東海が2017年6月1日(木)、接客制服を全面刷新しました。今年4月1日に同社が迎えた発足30周年にあたって、「社員の使命感をより一層高めて、今後当社が直面する課題に全力で立ち向かえるよう」実施したといいます。JR東海の接客制服全面刷新は1992(平成4)年以来、25年ぶりのことです。

【写真】夏は白 これまでの東海道新幹線乗務員の制服

 この刷新により、少なくともJR30年の歴史で初めて、東海道新幹線に上着なしの運転士、車掌が登場。特に夏の風景が今年から、少し変わります。

 JR東海の新しい新幹線乗務員用の制服は、「夏服」と「3シーズン」の2タイプ。夏服からは上着がなくなり、男女ともにベストが新設されています。またメインカラーが、旧制服の夏服はオフホワイトでしたが、通年で濃紺になりました。3シーズンは、駅長といった現場長等のスーツと同様の形状ながら、ポケットなどの仕様は職場環境や携帯品の収納に対応した仕立てになっているそうです。

 旧夏服は白のダブルスーツで、特に「優等列車の乗務員」らしい雰囲気がありましたが、夏場の車内巡回といった職務を考えると、上着のない新夏服のほうが動きやすい部分もありそうです。

 JR東海によると、今回の刷新にあたってはこれまでの制服で表現してきた「安全」「信頼感」「洗練」というコンセプトをさらに追求しつつ、仕事のしやすさも追求。それらを両立させたといいます。

 新制服のデザインを担当したのは、公共交通事業の制服デザインなどで実績がある公益財団法人日本ユニフォームセンター。ちなみに旧制服は、世界的デザイナーの山本耀司さんが手がけたものです。

「同じ鉄道会社の夏服どうし、なのに服が違う」運転士交代も

 先に掲載した新幹線運転士の写真は、ちょうど制服刷新が衣替えの日であるため、前日から勤務していた春秋用の旧制服(合服)を着用する運転士から、新夏服の運転士へのバトンタッチ、という形になりました。そのため、この写真は一見すると風物詩「衣替え」の光景にも見えますが、「同じ鉄道会社」で「夏服どうし」なのに服装が異なる乗務員が列車を引き継ぐ、という珍しい光景もこの日、見られています。

 2017年6月1日(木)の午前10時前、名古屋駅に到着した東海道本線の岐阜行き下り普通列車から、青い半そでシャツの旧夏服を着用した運転士が降車。ホームで待っていた白い半そでシャツの新夏服を着用した運転士に、列車を引き継ぎました。

 新しいJR東海の駅・在来線乗務員・指令用の制服も「夏服」と「3シーズン」の2タイプで、夏服には、白地の織り柄ストライプで襟章や肩章の付いた、正装感のある洗練された開襟シャツを導入したとのこと。そして男女ともにベストが新設されました。3シーズンは、職場環境に適した軽快で機能的なシングル3つボタンスーツスタイルにしたそうです。

 また、在来線乗務員の夏服は従来から上着なしです(特急列車乗務時などに新幹線と同様の白い制服を着用したことはある)。

 駅長などが着用する現場長等の制服も今回、「夏服」と「3シーズン」の2タイプに刷新されています。新幹線乗務員用と同様に夏服は従来、オフホワイトでしたが、通年で濃紺になりました。そしてボタンやワッペン、袖口の装飾類を金色で統一し、正装感や品格を感じさせるデザインにしたとのこと。夏服は上着がありますが、通気性に優れ、3シーズンは保温性を考慮した軽量素材を採用しているそうです。ダブルの6つボタンでサイドベンツ付きの上着、ワンタックズボンの組み合わせで、スマートな印象と機能性を両立したといいます。

 なお8月31日(木)まで、JR東海の接客社員は発足30周年を記念したピンバッジを着用中。胸付近に在来線と新幹線、リニア中央新幹線という「三世代の鉄道」がイメージされたバッジが光っています。

恵 知仁(鉄道ライター)