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音楽教室 vs JASRAC 両者の意見はなぜ対立しているのか

6/1(木) 19:30配信

AbemaTIMES

■「音楽教育を守る会」は“司法に判断をお任せするしかない“

(C)AbemaTV

 音楽教室からも著作権料を徴収する方針を示したJASRACに対して、反発が広がっている。

 これまでJASRACは、社交ダンス教室やフィットネスクラブなどへ、著作権料の徴収範囲を広げてきた。5月24日の定例記者会見でJASRACの浅石道夫理事長は「私たちはお話し合いの中で解決できると判断しております」とコメント、来年1月から受講料のうち2.5%を著作権料として徴収する方針を示している。

 この方針に対し、ヤマハ音楽振興会をはじめとして、音楽教室を運営するおよそ340の会社や団体で構成する「音楽教育を守る会」は、5月30日の総会で集団訴訟することを決定した。

 同会の事務局の功刀渉氏は「自分の好きな曲を弾きたいと思うのが普通だと思いますし、教える方も好きな曲を弾かせてあげたいと思うのが普通だと思います」と講師たちの気持ちを代弁。「JASRACさんは4月に『それは音楽教育を守る会の意見を言っただけで、各社の意見とは認められません』という回答をしました。ですので、司法に判断をお任せするしかないなと思い、訴訟の準備を進めてきた」と話す。

 一方、JASRAC作家正会員のある作詞家は「ベートーベンなどの教則本は対象ではない。例えば『ユーミンをピアノで弾きたい』といった場合のような、JASRACの管理曲が対象。バイエルのみを練習する子どものピアノ教室等と一緒にするような言い方は誤解を招く」としている。

■『公衆に聴かせるための演奏』に当たるのか

 知的財産の問題に詳しい福井健策弁護士は、「世界的にみてコンテンツ産業の売り上げが落ちてくる中、それをなんとか維持しようと、カラオケ教室、フィットネススタジオ、プロレスの入場曲に至るまで、徴収を拡大してきた。今回、とても微妙な所に徴収の手を伸ばしてきたなという印象がある」と話す。

 JASRACが著作権料を徴収する際の線引きは「営利目的か否か」。カラオケや喫茶店、結婚式やお葬式は徴収の対象となっている一方、ギャラの支払いを受けない生徒による文化祭でのコピーバンド演奏、甲子園名物のブラスバンドは徴収の対象外だ。また、法律には例外規定があり、私立校であっても学校の授業は非営利目的とみなされず、対象外となっている。

 この問題が最初に報じられた2月、歌手の宇多田ヒカルさんは「もし学校の授業で私の曲を使いたいっていう先生や生徒がいたら、著作権料なんか気にしないで無料で使って欲しいな。」とツイートしているが、福井弁護士は「この利用のときだけは徴収しないで、といった対応は簡単なことではない」とも話す。

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最終更新:6/1(木) 19:30
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