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SNSで話題「昭和のビーズバッグ」は本当に貴重なの? 研究者に聞いてみた

6/1(木) 12:21配信

BuzzFeed Japan

「昭和に流行ったビーズバッグ、捨てちゃダメだよ」――細かいビーズを鞄に縫い付けたビーズバッグの貴重さを呼びかけるツイートが話題を呼んでいます。

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「お母さんやおばあちゃんにもらったやつ、押し入れの中にあるはず!」という人も少なくないかもしれません。TwitterやInstagramでも「母のお古」「祖母宅を片付けた時に出てきました」などと投稿する人が相次いでいます。

さて、このビーズバッグ、今もよく見る……とは言えないとはいえ、一般的に流通していた商品です。本当にそれほど貴重なものなのでしょうか?

文化人類学・民族学の研究所、国立民族学博物館(みんぱく)の池谷和信教授に聞きました。

古墳時代以来?1000年ぶりの“流行”

池谷教授は「昭和のビーズバッグ」が文化的に価値がある理由を2点あげます。

ひとつは、長くビーズを装飾として使う文化がなかった日本で、突然広まったこと。

ビーズが誕生したのは今から約10万年前のホモ・サピエンスの時代。アフリカや欧米、アジアでは、古代から服や髪をビーズで飾る文化が根付いていますが、本州以西の日本では「古墳時代のあとで一度発展が止まった」といいます。

昭和に入り、海外からの輸入品の人気の高まりなどもあり、国産のビーズバッグが一大ブームとなりました。花や植物など、海外のものとはタッチが異なる繊細なデザインも多く、独自の進化を遂げていきます。

池谷教授は「日本では1000年以上経て、再度流行したと言える」と話します。

参考までに、みんぱくが世界中から集める収蔵品約34万点のうち、3%程度の約1万点がビーズ関連のものだそう。それほどまでに、人類の生活や文化とビーズは密接に結びついているのです。

もうひとつは、「線」ではなく「面」の装飾として生まれ、浸透したこと。

アクセサリー、服の刺繍など、ビーズ装飾は初めは線状のものから始まることが多いですが、バッグは最初から面を前提としたデザインです。和のテイストを取り入れ、アート性が高く仕上がっているものも多いといいます。

「着物の素材とビーズの相性があまりよくなかったのか、いきなりバッグから始まっているのは興味深い。世界的にも珍しい広がり方」と池谷教授は話します。

「ビーズバッグ、そして刺繍の技巧自体は海外にも古くからあるもの。なので、素材としてのビーズそのものや、技術面よりも、文化的な側面から“価値がある”と捉えています」

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最終更新:6/1(木) 13:54
BuzzFeed Japan