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鈴木亜久里がインディ500制覇の佐藤琢磨を祝福「誰も彼を追い越せない」

6/1(木) 13:28配信

motorsport.com 日本版

 自身も元F1ドライバーであり、そして近年ではチームオーナー等を務める鈴木亜久里は、佐藤琢磨(アンドレッティ・オートスポート)のインディ500制覇について「本当にすごいよね」とコメントした。

【写真】インディ500祝勝会に出席、スピーチする佐藤琢磨

 鈴木は2006~2008年にスーパーアグリF1チームのオーナーを務め、2013年からフォーミュラEに参戦したチーム・アグリのエクゼクティブ・チェアマンも務めた。その際、佐藤琢磨はドライバーとして両チームに在籍。レースを戦った(フォーミュラEは1戦のみ)。

「ゴルフで言えば、マスターズに優勝したみたいなものだからね。みんな、勝つためにレースをしているので、”すごい”と言うのは失礼かもしれないけど、現実に勝つのは難しい」

 鈴木は佐藤琢磨のインディ500制覇について、そう語った。

「あのレースは、勝つために何をしなきゃいけないかを、知っていなきゃいけない。単純なレースだからこそ、難しい。100%準備したって、勝てるわけじゃないんだ。もう、誰も彼を追い越せないんじゃないかな」

 鈴木は、スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングのチームオーナーとして、インディ500に挑戦した経験がある。その当時も踏まえ、インディ500は”勝てそうで勝てないレース”だと語る。

「インディ500を勝つっていうのは、手の届くところにありそうに見える。誰でも、勝てそうに思えるところにはあるんだ。でも、2位にはなれたとしても、実際に勝つことはできない。最後ほんの僅かな部分は、神様だとか運とか、そういう要素もあると思う。だから難しい」

「2012年の琢磨は、最終ラップでスピンしたじゃない? 普通あそこでスピンなんてしないでしょ? あれは、神様が『勝つのはまだ早い』と判断して、後ろから押したのかもしれないよね」

「今回は残り7周でエリオ(カストロネベス)を抜いて、必死で逃げて勝てた。だから、そういう(神様や運の)部分も味方につけたのかなと思う」

 鈴木亜久里は、佐藤琢磨のインディ500制覇についての日本国内での取り上げ方の少なさを憂いている。

「日本での取り上げ方が少ないと思う。もっと盛り上がって欲しいよね。アメリカでは、こんなことないと思うよ。日本のモータースポーツ界がもっと注目されるように、我々もメディアも頑張らなきゃいけない」

 四輪モータースポーツで世界一を目指そうとすれば、これまでは自然とヨーロッパに目が向いていた。しかし、佐藤がインディ500を勝ったことで、今後はアメリカのレースへの注目度も上がるはずだと、鈴木は語る。

「今回琢磨が勝ったことが、どのくらい若い子たちの刺激になったのかは、僕には分からない。でも、少なくともアメリカのレースに興味を持つ子は増えると思う」

「今はみんなヨーロッパのレースを目指している。アメリカのレースを目指す子なんて、まずいないからね。アメリカのレースは、ゲーム性が高かったりして、面白いんだ」

 そして国内レースなどと比較し、その賞金額は非常に高い。この点について鈴木は、世間や若いドライバーの注目を集めるのに、良いアピールポイントになるはずだと指摘する。

「やっぱり賞金額はすごいよね。2億7千万円っていうのは、日本ではまずないから。プロのレーシングドライバーである以上、やっぱり賞金額というのはステータスだよ。若いドライバーたちにとっても、それは魅力的に映るんじゃないかな。この点についてはレース専門媒体も含め、もっとアピールしてあげて欲しいよね」

田中健一