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喪中のジョンソンが競り合いの末、チョリッチに勝利「父は僕とともにいる」、大会4日目トピック [全仏テニス]

6/1(木) 17:05配信

THE TENNIS DAILY

 フランス・パリで開催されている「全仏オープン」(5月28日~6月11日/クレーコート)の大会4日目、男子シングルス2回戦。

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 第25シードのスティーブ・ジョンソン(アメリカ)はすべてを内にとどめていた。もはやそうすることができなくなる瞬間までは。

 テニスコーチだった父親が亡くなり、いまだ喪に服しているジョンソンは、様々な感情を外に見せることを自分に許さなかった。感情が、自分がボールを叩く能力に影響を与えることを許さず、彼は、何とかボルナ・チョリッチ(クロアチア)に6-2 7-6(8) 3-6 7-6(6)で競り勝って3回戦に進出した。

 試合の詳細が次第に難しくなっていく中、ほぼ4時間近くジョンソンは闘い続けた。彼は最初につかんだ4つのマッチポイントをつかみ損ねたあとも、何とか踏みとどまっていた。そしてチョリッチが、勝負を第5セットにもち込むまであと1ポイントというところまで迫った2度の機会にも、彼は自分を見失わなかった。

 5度目のマッチポイントで、フォアハンドのウィナーを放って勝利を決めたとき、ジョンソンはベースライン近くで膝を落とし、胸を波打たせ、涙で目を潤ませて、やっと自分の感情を解放した。

「あのフォアハンドを打ったあと、何が起きたのかまったくわからない。僕はただ崩れ落ち、感情にのまれてしまった」とジョンソンは言った。彼は次のラウンドで、第6シードのドミニク・ティーム(オーストリア)と対戦する。

「1回戦のあとには、とりあえずロッカールームに行き、そこで少し自分を落ち着かせることができたんだが、今日の試合は、本当に感情的な試合だった。長い、アップダウンのある試合。それを潜り抜けたということ自体を僕は非常に誇りに思う」

 そのフォアハンドが決まった瞬間、ネットの反対側でチョリッチはラケットを1、2、3、4回と叩きつけ、少しやめてからもう一度、打ち付けて、ラケットの原型をとどめないほど捻じ曲げてしまった。

 チョリッチはのちに、対戦相手が対処しなければならない個人的困難を抱えていたことについて知っていた、と言った。

「非常につらいことだろう、間違いなく」と世界40位の20歳、チョリッチは言った。「その時期を潜り抜け、同時にこれほどいいプレーができるということについて、彼を称えたい」。

 互いの感情の爆発のあと、ふたりは握手を交わし、その後、ジョンソンは腕に顔をうずめ、すすり泣いた。

 スティーブ・ジョンソン・シニアは、3週間前に亡くなっていた。

「しばらくの間、感情的になってしまうことはわかっていた。どのくらいかかるかは誰にもわからない。ただ、彼(父)が僕とともにいることはわかっている。彼は僕を、最後のポイントまで競い、戦うファイターに育てた。そしてそれが、僕がテニスでやろうと努めていることなんだ」と27歳のジョンソンは言った。父にテニスの指導を受けて育ったジョンソンは、南カリフォルニア大学時代に2度、NCAAのシングルスで優勝し、4度チームでタイトルを獲っていた。

「僕は最高のテニスプレーヤーではないかもしれない。でも、僕が無抵抗に相手をただ勝たせる日などありはしないだろう。僕は全力を振り絞り、ベストを尽くす」

 この全仏4日目には、言うまでもなく、ほかにも勝者と敗者がいたが、これほど心に強く訴えるものはなかった。

 第12シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)は、わずか1ゲームをプレーしたのちに、世界91位のレンツォ・オリーボ(アルゼンチン)に5-7 4-6 7-6(6) 4-6で敗れ、静かに大会から去った。

 この試合は前日に、第4セット4-5のところで日没順延となっていた。2008年の全豪準優勝者であるツォンガにとって、全仏の1回戦で負けるのは、12年前のデビュー戦以来、初めてのことだった。

「先週、僕はクレーコート大会で初の優勝を遂げた」と、ツォンガはリヨンの大会を指して言った。「そして今日、僕は全仏で負けた。これはテニスの矛盾だ」。

 前年度覇者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)、全仏優勝歴9度のラファエル・ナダル(スペイン)など、勝ち上がった者たちからは、このような沈思は呼び起こされなかった。

 また女子では、前年度覇者のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)、元ナンバーワンのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)----彼女の妹セレナは妊娠中のため観客席にいた----そして、カロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)が、勝者の一角だった。

 この日はいくつかの驚きもあった。第6シードのドミニカ・チブルコバ(スロバキア)が114位のオンス・ジャバー(チュニジア)に4-6 3-6で敗れ、18歳のキャサリン・べリス(アメリカ)は第18シードのキキ・バーテンズ(オランダ)を6-3 7-6(5)で下した。

 昨年12月、自宅でナイフを持った暴漢に襲われ、左手(利き手)の手術が必要となったぺトラ・クビトバ(チェコ)は、今大会で復帰し、2回戦で予選勝者のベサニー・マテック サンズ(アメリカ)に6-7(5) 6-7(5)で敗れた。

「奇妙な感じだわ。確かにがっかりしている。私はここに勝ちに来たのだから」とクビトバは言った。「おとぎ話は終わった。今、来たる週には、通常通りのビジネスが始まるのだと思う」。(C)AP (テニスマガジン/テニスデイリー)

最終更新:6/1(木) 17:05
THE TENNIS DAILY

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