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THAAD全方向調査不可避…キム・グァンジン越えて黄教安まで広がるか

6/1(木) 17:17配信

ハンギョレ新聞

THAAD早期配備の責任者は誰? 昨年までは今年12月に配備説明 朴槿恵弾劾議決後に速度上げる 早期配備の意志決定プロセス 大統領府安保室-国防部ラインが主導 最終決裁権者の関与度にも注目

 国防部がTHAAD(高高度防衛ミサイル)発射台4台の追加搬入事実を報告書から意図的に落としたことが確認され、大統領府の関連調査がどこまで拡大するかに関心が集まっている。大統領選挙前にTHAAD早期配備を強行した国防部が、新政権が発足して関連事実を隠そうとしたことが明らかになり、前政権の無理なTHAAD配備過程全般に対する調査が避けられないものと見られる。

 朴槿恵(パク・クネ)政権が「THAAD配備」という政策判断を下した根拠は、北朝鮮の4回目の核実験(2016年1月)など高度化する北朝鮮の核・ミサイル脅威だった。だが昨年7月、韓米がTHAAD配備決定を発表した時点でも、当時政府は2017年12月までに配備を推進すると明らかにした。それから2カ月後に北朝鮮が5回目の核実験を実施したが、韓米当局のTHAAD配備日程が明示的に変わることはなかった。

 疑惑の核心は、昨年12月に国会が朴前大統領の弾劾訴追案を議決した直後にTHAAD配備日程がなぜ突然早まったのかだ。黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行体制以後、キム・グァンジン当時大統領府国家安保室長は、2回も米国を訪問しTHAAD配備問題を集中議論した。この過程でキム前室長が米国側とどんな内容を協議したかに対する確認が必要だ。また、キム前室長が大統領の命を遂行する参謀という点に照らして、THAAD早期配備決定に黄権限代行がどこまで関与したかも今後明らかにしなければならない。

 THAADの韓国展開過程にも釈然としない点が少なくない。在韓米軍は3月6日、米テキサス州にあったTHAAD砲台のうち移動式発射台2台を烏山(オサン)空軍基地に持ってきた。米軍当局は「戦略兵器」を韓国国内に持ってきた事実を異例にも映像で公開した。事実上、大統領選挙前にTHAADを“既成事実化”する信号弾だった。

 さらに国防部と在韓米軍は、大統領選挙をわずか2週間あまり後に控えた4月26日、慶尚北道の星州ゴルフ場にTHAADを配備した。軍事作戦でもするかのように早朝に奇襲的に行われた。その翌日、国防部は環境影響評価(アセスメント)もしていない状況で「THAADが近い将来実運用に入るだろう」と発表した。THAAD“既成事実化”の完成だった。国防部が報告書から落とした発射台4台の追加搬入もこの頃に前後してなされたものと見られる。

 文大統領の大統領選挙キャンプ出身である外交・安保専門家は「韓米間の最大懸案であり、大統領の最高安保関心事であるTHAAD関連内容を、国防部が意図的に報告書から落としたことは、軍の統帥権者に対する挑戦行為に等しい」として「軍の規律を正しく立て直すためにも、命令・指揮系統全般を調査し、報告脱落の経緯を明らかにし責任者を摘出しなければならない」と話した。彼はさらに「今回の事態で大統領選挙前に無理にTHAAD配備を強行した過程全般に対する調査も不可避になった」として「THAAD早期配備を推進する過程で、国益を害することが発生しなかったか、細かく調べなければならない」と強調した。

 ただし、大統領府が黄前首相にまで調査を拡大するかは不確実だ。THAAD配備と関連した意志決定、および対米交渉、装備搬入までの一連の過程は、大統領府国家安保室から国防部首脳部につながる軍出身の安保ラインで処理したと見ているためだ。在任時期に現在の与党と頻繁に衝突した前政権の首相に対して安保懸案と関連した責任を問うことは、ややもすれば「政治報復」論議を招きかねない点も大統領府には負担だ。大統領府側も「現時点ではハン・ミング国防長官とキム・グァンジン前安保室長に対する調査が優先とだけ話すことができる」と明らかにした。

チョン・インファン、イ・セヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:6/1(木) 17:17
ハンギョレ新聞