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「スポーツライター平野貴也の『千字一景』」第50回:久保の名に北の大地で反応する男(札幌U-18:本間洋平)

6/1(木) 7:16配信

ゲキサカ

“ホットな”「サッカー人」をクローズアップ。写真1枚と1000字のストーリーで紹介するコラム、「千字一景」

 相手をかわして、ぐいっと前に出る姿勢の目立つ左サイドバックは、試合の途中からボランチに入って、ますます生き生きとし始めた。5月上旬に行われたプリンスリーグ北海道第4節、北海道コンサドーレ札幌U-18の1年生MF本間洋平のプレーだ。中盤で運動量を上げて左右に動き、ボールに絡み続けて攻撃を活性化。前半にセットプレーから2失点を喫したゲームだったが、チームは逆転勝利に成功した。

「運動量を武器にしているので、1年生でもゲームを作ることを意識して、ペースが上がり過ぎたり、下がり過ぎたりしないように気を付けています。サイドバックで出ることも多いんですけど、ボランチをやりたいです。中盤で後ろからボールを受けたときに、前を向く回数がまだ少ないのが課題なので、できるようにしたいです」

 本間は、自身の成長曲線をイメージし、手ごたえと課題を話した。1年生だが、U-16日本代表の招集歴があるように実力は高く、もちろん目標も高い。この日のプレーに関しても「FWが持ったときに、もっと関わって前に行って自分がシュートを打ちたかった」と満足していなかった。

 高校1年生のゴールデンウィーク。普通なら3年生の試合に先発出場していれば、それなりの満足感を得ていてもおかしくないが、はるか前を行く者の姿がその気持ちを消し去る。トップチームでデビューを果たしたFW藤村怜の活躍が刺激になっているのではないかと聞くと、別の選手の名前を含んだ答えが返ってきた。

「学年は違っても刺激は受けます。僕も出たいですね。今年1年で完ぺきにスタメンに定着して、来年にはトップデビューも視野に入れていきたいです。同じ学年の久保建英(FC東京U-18)とかも(プロの)試合に出ているので、刺激になります。早く戦いたいですね。ジュニアユースのときに、練習試合で1回やっただけです。追いつき、追い越したいです」

 同じ月の後半、韓国でU-20ワールドカップが行われ、同学年で圧倒的な注目度を誇る久保は5歳年上のプロ選手ばかりの世界で輝きを放った。韓国でその姿を見たとき、本間のように、久保の名を聞く度「オレも」と闘志を燃やす同学年の選手がいるのだろうと思った。久保に関する報道は、賛否両論。将来性を期待する人は多いが、15歳に過度のプレッシャーを与える懸念もある。ただ、久保の名が報じられる度、国内のどこかで中高生の「オレも」の気持ちが燃え上がっていることは、間違いない。

■執筆者紹介:
平野貴也
「1979年生まれ。東京都出身。専修大卒業後、スポーツナビで編集記者。当初は1か月のアルバイト契約だったが、最終的には社員となり計6年半居座った。2008年に独立し、フリーライターとして育成年代のサッカーを中心に取材。ゲキサカでは、2012年から全国自衛隊サッカーのレポートも始めた。「熱い試合」以外は興味なし」

最終更新:6/1(木) 22:26
ゲキサカ