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静大と高齢者研究タッグ シニアの視点、商品やまちづくりに

6/2(金) 8:17配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 静岡大が地元の高齢者を巻き込んだ研究活動を本格化させている。生活者目線のアイデアを商品開発やまちづくりなどの課題解決につなげる試みで、北欧で盛んな「リビングラボ」と呼ばれる手法を取り入れた。高齢化が進む中、研究分野でもシニアの存在感が高まりつつある。

 「不審電話を防ぐ機器が安くなればもっと普及するはず」「現金の引き出しを制限するのが効果的」―。

 5月下旬、静岡市駿河区の静岡大に地元の高齢者14人が集まった。話し合いのテーマは多発する振り込め詐欺の予防対策。県警の担当者を交えて活発に意見を交わした。参加者の男性(76)は「参考になった。地域の仲間にも伝えたい」と満足げだった。

 企画したのは静岡大大学教育センターの須藤智准教授(39)=認知心理学・認知工学=。地元の高齢者と一緒にモノやサービスの使いやすさを考える「静岡アクティブシニアラボ」の研究の一環だ。

 「高齢化社会でものづくりやまちづくり、社会制度を考えるには、高齢者の視点を取り入れることが大切」と須藤准教授。製品やサービスの開発過程で市民を巻き込むリビングラボの手法を導入し、地域の課題解決を目指す。今後はスマートフォンのシニア向け製品やサービスも研究する予定という。

 高齢者は「シニア研究員」と呼ばれ、約40人が登録する。須藤准教授は「これまで大学に高齢者が来る機会は少なかった。高齢者のパワーを生かし、暮らしやすい社会をつくっていきたい」と話す。



 <メモ>リビングラボ 大学や企業、地域住民が一体となって社会の課題解決に取り組む研究活動。1990年代後半から北欧で広がり始めたとされる。テーマは企業の製品・サービスの開発や検証、行政サービスの検討など多岐にわたる。単発型のワークショップに比べ、長期的な視点に立って研究を重ねていくのが特徴。高齢者にとっては社会貢献の動機づけになり、企業にとってもシニアに支持される商品開発につながる利点がある。

静岡新聞社