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関西電力が黒部ルートの一部開放に前向き

6/2(金) 12:53配信

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 県の「立山黒部」世界ブランド化推進会議は1日、東京都内で初会合を開き、関西電力黒部ルート見学会の「旅行商品化」について議論した。関電の岩根茂樹社長の代理で出席した勝田達規取締役常務執行役員は「地元企業として協力する立場で、前向きに検討したい」と述べ、これまで同社が示していた「困難」との見解を改めた。ただ「安全対策など課題は多い」とも語り、下部組織のワーキンググループ(WG)で実現可能性を慎重に検討する考えを強調した。

 黒部ルートは黒部峡谷鉄道の欅平と、立山黒部アルペンルートの黒部ダムを結ぶ約18キロ。工事時に「完成後は公衆の利用に供する」という国の許可条件が課されたが、関電は電力安定供給のための保守設備であるとし、一般開放しないままとなっている。

 1996年から関電は抽選制で無料のルート見学会を開き、現在は年間2040人分の枠がある。勝田氏はこの枠内での商品化に前向きな姿勢を示した上で、「見学会などでの事故は起きていないが、昨年だけでもトンネルで2度の落盤があった」と安全対策の必要性を訴えた。

 県は、関電が顧客らを招く「社客」の枠を含めた旅行商品化を提案している。勝田氏は社客枠は年間約3千人だが、自社PRに積極活用していることを挙げ「旅行商品化は難しい」とした。

 関電側は本年度内に計4回開くWGで、安全対策を示す方針。石井隆一知事は会議後に「一歩前進。ルートを多くの人に開放してもらえるよう、WGで安全性などを真摯(しんし)に議論していく」と話した。

 会議は、昨年度開かれた「立山黒部」の保全と利用を考える検討会を前身とし、山岳観光の有識者で構成している。


■来夏に室堂でオープンテラス
 会議では前身の検討会で挙がっていた28のプロジェクトについて、事業推進の責任団体や検討スケジュールを決めた。来夏にも立山黒部アルペンルートの室堂ターミナルにオープンテラスを整備するほか、同ルートの早朝・夜間営業試験を本年度の営業期間内に行う方向で検討を進める。

 オープンテラスは、富山の食を味わえるスペースをテーマに調整。室堂ターミナル以外へのテラス設置も検討する。早朝・夜間営業に向けては、安全確保や環境保全、宿泊施設への影響などを考慮して適切な手法を探る。

 宿泊施設の多様化に向けては、県庁内にサポートデスクを設け、建て替えや新築の事業者ニーズを探ることとした。回遊性を高めるロープウエーの建設については環境負荷が少ないとされる「立山-弥陀ケ原」案について、整備時期の目標を定めずに検討していくことを申し合わせた。