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神戸コミュニティーFM局「FM MOOV」が開局20周年 「言葉の力」伝える /兵庫

6/2(金) 10:03配信

みんなの経済新聞ネットワーク

 神戸コミュニティーFM局「FM MOOV(エフエムムーヴ) KOBE」(神戸市中央区元町通3)が6月1日、開局20周年を迎えた。(神戸経済新聞)

番組「KOBE HEARTY RADIO」生放送の様子

 阪神・淡路大震災の約2年後となる1997年6月、街の至る所に被害の爪痕が残る中、「仕事の疲れを癒やすミュージックステーション」として開局。当初は北野坂沿いのビルから放送していた。

 2年目、センタープラザ西館地下1階にサテライトスタジオを構えてからは、人気お笑いコンビ「次長課長」がDJを務める番組「次・課長ヨッピー拳」が放送されるなど、有名ミュージシャンも多数ゲスト出演。夜はハウス・テクノ・ヒップホップなどのクラブDJがMIXショーを行うなど「見えるラジオ」として注目を集めた。現在は元町に移転し、レストーク・モアミュージックをコンセプトに音楽番組を中心とした放送を行っている。

 2015年2月からはサイマル放送によるインターネットストリーミング配信も開始。コミュニティーFMは第3セクターやケーブルテレビなどの大きな親会社を持つ民間会社が多いが、同局はいずれにも当てはまらず、政令指定都市の放送局であるなどの特殊な要因が重なって、「スタイリッシュで都会的」な独特のスタイルがつくり上げられた。

 オフィスや商業施設が立ち並び流入人口が多い神戸市中央区。編成局長の長谷川保さんは「地域密着をうたう他局に比べて取材などに出掛ける機会が少ないが、その代わりにスタジオでの準備を念入りに行うことで、仕事中の方に向けて良い音楽をたくさん届けることができた。これを愚直に続けてきたからこそFMスタイルの人材が育ち、『ラジオDJの登竜門』と呼ばれるようになったのでは」と話す。

 「番組の冒頭は立ち上がってしっかりとお辞儀をしているつもりで心をこめてあいさつする」「苦手なタイプの人も一生懸命愛する」「損得は考えず困っている人に手を差し伸べる」などは、人としてDJとして大切で「言葉の力」として相手に伝わると長谷川さん。20年続けてきて、放送に必要なのは技術だけではないということに気付いたという。

 「震災後、経済的にもメンタル的にもダメージを受けた神戸の街で開局し、苦労を重ねながらもたくさんの方に支えられて20周年を迎えることができた。神戸には売上の極端な追及よりも社会貢献の精神を重んじる企業や店が多い。神戸は古くからの港町で、異なる文化を受け入れる寛容の心を持つ。この100年の間に空襲と震災を経験し、人々は自分の利益よりも助け合いの精神が尊いということを知っており、若者にもその考えが受け継がれている。『神戸らしさ』を追及すると結局『日本らしさ』を磨き上げて進化させることかなと思うようになった。DJもスタッフも『感謝の気落ち』を大切にし、神戸の一員として貢献したい」と力を込める。

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