ここから本文です

“竹”活用のバイオマス熱電、実用化への新たな一歩

6/2(金) 7:10配信

スマートジャパン

■「雇用創出による地方創生にも期待」

 熊本県の北部に竹を活用したバイオマス熱電併給ができる――。関西電力は2017年5月31日、バンブーエナジー(以下、BE)が熊本県玉名郡南関町で行う、地域の未利用資源である竹を活用したバイオマス熱電併給事業に出資参画すると発表した。

【竹と活用したバイオマス熱電供給の流れ】

 一般的に竹を燃料にすることは、竹を燃焼した際に「クリンカ」という成分が発生するため、敬遠されてきたという。クリンカとは、竹を燃焼して出る灰の中にカリウムとシリカ分が低温となった際に共晶したものであり、炉を傷めることにつながる。

 同社は竹とバーク材を混焼することでクリンカの発生を抑制し、竹をバイオマス燃料として利用することを実現した。BEの担当者は「2015年10月から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成を受けて、実験を繰り返した中で生まれた成果である。発電には、日本初のORC(Organic Rankine Cycle)発電機を採用した」と語る。

 同事業はBEの他、バンブーフロンティア(BF)とバンブーマテリアル(BM)の3社が一体となって進めている。竹材の調達および燃料チップの一次加工をBF、一次加工されたチップを燃料とした熱電供給をBE、竹を原料とした建築資材製造をBMが担っている。

 関西電力は、リリース上で「竹を原材料からエネルギーまで余すことなくカスケード利用することで、竹材の搬出による荒廃竹林の整備から竹の工業製品算出までの新サプライチェーンを構築し、雇用創出などの地方創生が期待できる」とコメントした。

 熱電併給設備はNEDOの実証事業として、2018年6月に着工し、2019年1月から稼働予定。現在は設備の設計を行っているという。発電端出力は約1000kW、熱出力が温水約2800kW、熱媒油が約2800kWだ。竹とバークを1日当たり約77トン消費する。

 なお関西電力はバンブーフロンティア事業の出資を通じて、竹を燃料としたバイオマス熱電供給の知見獲得を目指すとともに、2030年までに50万kW程度の再生可能エネルギー電源開発を目標にしており、その普及・拡大に貢献していくとした。