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【二宮寿朗の週刊文蹴】それにつけても興梠と小林悠

6/2(金) 12:02配信

スポーツ報知

 爽快なほど、彼らは勝負強かった。

 31日のACL決勝トーナメント1回戦、浦和―済州の第2戦。第1戦を0―2で折り返した浦和が3点をもぎ取って8強入りを決めた。

 大事な試合になると勝負弱いと、不名誉なレッテルを貼られてきた。昨季も年間勝ち点1位ながら、チャンピオンシップでリーグ優勝を鹿島にさらわれている。

 「いいところまではいくんだよ。でも最後の最後が勝ち切れない」

 レッズウォッチャーの先輩ライターは肩をすぼめて、そう嘆いていた。

 だが、この日は違った。攻撃の迫力と守備の集中は、大逆転の期待を抱かせた。

 東日本地域での販売終了が発表されたスナック菓子のCMではないが、「それにつけても」殊勲者は興梠慎三である。

 高い打点のヘディング弾で先制点を奪い、ボール奪取からのラストパスで2点目をアシスト。延長後半、森脇良太の決勝点も飛び込んだ彼の動きがおとりになった。

 前線からの守備も効いていた。3点目を奪っても、勝負はまだ終わってないとばかりにボールを奪いにいった。120分間、まさにチームの先頭に立って戦い抜いた。

 浦和は9年ぶりの8強進出。だが、真の勝負強さが試されるのはこれから。欧州CLに目を転じればバルセロナはパリSGを0―4から“うっちゃり”に成功したが、0―3でリードを許したユベントスには通用しなかった。劇的なドラマは2度も続かないということだ。

 ACLとリーグ制覇の二兎(にと)を追うには粘り強く、しのぎ切る試合もやっていかないといけない。ただ、この日の勝負強さがチームを一つ上のレベルに引き上げたように思う。

 「それにつけても」興梠と川崎の8強進出に貢献した小林悠の絶好調ぶりは目を引くばかり。追加招集で代表メンバーにぜひ加えてほしいところだが、いかがだろうか。(スポーツライター)

最終更新:6/2(金) 12:02
スポーツ報知