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野茂超え!7戦連続2桁奪三振・則本の「真価」と「課題」

6/2(金) 16:32配信

東スポWeb

 楽天・則本昂大投手(26)が1日の巨人戦(Koboパーク)に先発し、プロ野球新記録となる7試合連続2桁奪三振を達成した。1991年に野茂英雄(近鉄)がマークした6試合連続を26年ぶりに更新した。今後は日本のエースとしての期待も高まるが、今春のWBCでは2試合の救援登板で防御率9・82という屈辱を味わったばかり。本紙評論家の遠藤一彦氏が、そんな則本の“真の姿”を解説した。

 新記録達成がかかったこの日の奪三振ショーは2回から幕を開けた。二死満塁で小林を空振り三振に仕留めて危機を乗り切ると、スイッチが入る。3回の脇谷、立岡、坂本、4回先頭のマギーまで圧巻の5者連続三振を奪うと、スタンドからどよめきが起きた。

 しかし、村田に左翼席へ2ランを浴びて先制を許してしまう。結局、この回は石川から直球で空振り三振を奪って計6K。5回は三振なしだったものの、6回は阿部を空振り三振。その裏に味方打線が3点を奪って試合をひっくり返すと、7回は山本を空振り三振。立岡からも空振り三振を奪い、一気に日本新へ「王手」をかけた。

 偉業達成の瞬間は3―2とリードした8回無死走者なしの場面。この回先頭の坂本に対し、フルカウントから140キロのフォークで空振り三振を奪って達成した。続くマギーも空振り三振。最後は阿部からも空振り三振を奪い、圧巻の4者連続三振締め。8回12Kでマウンドを降りた。

 最終回を守護神の松井裕がキッチリ抑え、今季7勝目も手にしたエースの活躍で、チームは対巨人3連勝に成功した。

 試合後の則本は開口一番「うれしいです!」。8回について「三振が(2桁まで)あとひとつと分かっていましたし『なんとかひとつ』とも思ったが、逆転してくれた後なので『なんとか勝ちたい』それだけでした。チームが5連勝していなかったのも分かっていたし、今日は勝ちたい気持ちだけでした」とエースらしく振り返った。

 それにしても今季の則本は直球、フォーク、スライダーがキレまくり「WBCでの不調は何だったのか」と思ってしまうほど。本紙評論家の遠藤氏は「これが則本本来の姿なのでしょう。WBCでは調整不足というのもあったでしょうし、コンビを組んでいた嶋が離脱したというアクシデントもあった。何より則本は先発で力を発揮するタイプ。同じくフォークを武器にする佐々木主浩(元横浜、マリナーズ)は、長いイニングが投げられずに『仕方なく抑えで』というタイプでしたから。これほどの投手を抑えで使うというのは、もったいないことだと思いますよ」と話した。

 それでもこれだけ三振を取れる投手なら、抑えでも使ってみたくなるというものだが…。

「もちろん抑えができないとは思いません。が、私は直球もスライダーもフォークもキレるという投手は、球界ではかなり貴重な存在だと思っています。私は現役時代、スライダーを封印したことがありますが、その理由はスライダーを良くしようとすると、直球とフォークのキレがなくなってしまうから。その点、則本は直球、スライダー、フォークどれでも三振が取れる。長いイニングを投げても球速は落ちないし、間違いなく先発タイプの投手だと思います」

 では今後に必要なものは何なのか。

「則本も落差の小さいスプリットの習得を目指しているようですが、私は三振を取るフォークとは別に、ゴロを打たせるフォークを覚えました。それから左打者用のシュート回転のフォークと、右打者用のスライダー回転のフォークも。空振りを取らないフォークを身につけることで、投球数は目に見えて減り、より長いイニングを投げることができるようになる。成績もさらに安定してくると思います」

 ちなみにメジャー記録はペドロ・マルティネス(レッドソックス)、クリス・セール(ホワイトソックス、レッドソックスで記録)の8試合連続。日本のエースへ、さらなる進化が期待されるところだ。

最終更新:6/2(金) 16:59
東スポWeb