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<小野憲史のゲーム時評>「ドラゴンクエスト」の圧倒的なブランド力 「堀井節」の真骨頂

6/3(土) 10:30配信

まんたんウェブ

 超硬派のゲーム雑誌「ゲーム批評」の元編集長で、ゲーム開発と産業を支援するNPO「国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)」元代表の小野憲史さんが、ゲーム業界の現在を語る「小野憲史のゲーム時評」。今回は「ドラゴンクエスト」シリーズについて。

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 国民的コンテンツの「ガンダム」と「ドラゴンクエスト」には共通点がある。シリーズの本編で固定ファンをつかみ、そのブランド力を活用して実験作で新規ファンを開拓するというものだ。多様なメディアで戦略的にプロデュースし続けることで、コンテンツを活性化させ、コンテンツの寿命を延ばしている。

 今年30周年を迎えた「ドラゴンクエスト」。今回は“真打ち”の「11」の前に、さまざまなシリーズのゲームが出ているし、ゲーム以外のイベントやアトラクション、テレビ番組と盛りだくさんだ。最後を飾るのは、7月29日に発売される最新作「ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて」なのは言うまでもない。

 30年間のユーザー体験はさまざまだ。「1」~「6」はドット絵、「7」と「9」は3D、「8」と「10」はリアルな頭身のCGといった具合。ファンの間で好みが分かれる。そこで「11」ではシリーズで初めてPS4とニンテンドー3DSでの同時発売。上記3種類のビジュアルを用意した。3DS版でドット絵と3D画面、PS4版でリアルなCGにしたというわけだ。

 ただしグラフィックが変わっても“核”は変わらない。それがゲームクリエーターの堀井雄二さんが生み出す「堀井節」と呼ばれる、ゲームならではの物語体験だ。これまで多くのRPGが登場する中で、「ドラゴンクエスト」は特に「プレーヤー=主人公」という関係性にこだわってきた。最初に名前を入力させる、主人公自身はしゃべらない……などはその好例。今回は主人公を「勇者の生まれ変わり」に設定し、タイトルロゴも「1」を思い起こさせるデザインにしている。シリーズユーザーの多様な「ドラゴンクエスト」の体験に「11」で“横串”を通そうというわけだ。

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最終更新:6/3(土) 10:30
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