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2000年生まれ“ミレニアム世代”は逸材続々…花咲徳栄・野村は怪物スラッガー候補

6/2(金) 14:01配信

デイリースポーツ

 今春のセンバツでは、優勝した大阪桐蔭の主力ら2000年度生まれの2年生、“ミレニアム世代”の活躍が目立った。その後の春季大会を各県で取材したが、センバツに出ていなかったチームにも、思わずうなってしまう楽しみな2年生が今年は多い。

 まず名前を挙げたいのは、花咲徳栄(埼玉)の大型スラッガー・野村佑希外野手だ。スケール感と打球の速さは圧倒的。バットが放つ低くて鈍い衝撃音は、他の選手とは明らかに異なる。

 この春は見る者の度肝を抜く当たりを連発した。決勝を含め4本塁打の埼玉大会では、両翼99メートル、中堅122メートルの大宮公園野球場で3発。3回戦の大宮東戦では、逆風をつく弾丸ライナーでバックスクリーンにぶち込み「あんなの見たことない」と、県高野連幹部を仰天させた。準決勝の春日部共栄戦では、ライナーに飛びついた三塁手のグラブを吹っ飛ばしてみせた。

 技術もある。関東大会2回戦・早実戦では、腕をたたんで内角球を両翼100メートルあるひたちなか市民球場の左翼席へ。清宮のアーチに負けないどよめきが起こった。中日・中田スカウト部長は「内の厳しいボールを軸回転で持っていった。ああいう打ち方ができる右打者はなかなかいない」と、感嘆した。

 中学時代の所属チームは小所帯。メンバー12人という時もあった。初戦負けが多く、大きな注目を浴びることはなかった。花咲徳栄・岩井隆監督が目に留めたのも、対戦相手の選手を見に行った試合だった。

 185センチ、85キロの体格。投手としても最速144キロを誇る。花咲徳栄では昨秋からベンチ入り。4番に座ったが、タイミングの取り方が課題だった。冬場は「手の痛みも感じなくなるぐらいやった」という毎日4~5時間の徹底した打撃練習を行い、岩井監督も付きっきり指導。綱登りや10キロのハンマーでタイヤをたたくトレーニングなどの成果もあり、高校通算24本塁打のうち、3月の練習試合解禁以降で18本塁打。一気に飛躍した。

 岩井監督が「全然ダメ」と辛口なのも、期待の裏返し。「全然まだまだ伸びますよ。打撃は若月(オリックス)より上」と、プロで活躍する教え子の名前を出してポテンシャルを認めている。

 野村は「1試合を通して打てる力がまだない。高い打率を目指したい」と、課題を口にする。スカウトからも「清宮の次は彼」と名が挙がる“ミレニアム世代の怪物”。とてつもないスラッガーになる可能性を秘めている。

 “ミレニアム世代のドクターK”も埼玉にいる。浦和学院の最速141キロ左腕・佐野涼弥投手だ。春の県大会は3回戦・本庄東戦で16奪三振完封。関東大会でも全4試合にリリーフして11回1/3を無失点、17奪三振の快投で、優勝に貢献した。

 三振を量産する最大の武器は、鋭く落差も大きいスライダー。直球と同じ握り、腕の振りで、手首の角度だけを調節して変化させる。相手のバットが次々と空を切る様は、あの松井裕樹(楽天)をほうふつとさせる。

 「スライダーに頼り過ぎている。真っすぐで空振りを取れるようにしたい」。そう課題を挙げた佐野だが、横浜、前橋育英、日大三、東海大相模といずれも甲子園優勝経験のある強豪を封じた関東大会の結果には「自信になりました」と、笑みをこぼした。同学年に強打者がそろう状況にも「自分がどれだけ通用するのかやってみたい」と目を輝かせる世代No.1左腕候補。まずは今夏の甲子園切符をもぎとりたいところだ。

 名門・東海大相模(神奈川)の主砲を務めるのが森下翔太外野手だ。1年生だった昨夏の初戦で、いきなり4番デビュー。すでに高校通算22発をマークし、長打を広角に打つことができる。今春は神奈川大会準決勝・桐光学園戦で左越えの場外弾。関東大会でも初戦の千葉敬愛戦で4安打を放つと、準決勝・作新学院戦ではサヨナラ二塁打を放った。「チームを勝たせる流れを作る打者になりたい。自分は長打でつないでいけたら」と、理想を掲げる。

 昨夏甲子園にも出場した横浜(神奈川)の万波中正外野手は、関東大会で投手としてマウンドに登り、自己最速を更新する145キロを計測。非凡な身体能力をあらためて示した。

 夏の大会は、3年生のドラフト候補や“スーパー1年生”が話題になることが多い。ただ、今年は2年生が“夏の主役”を務めるチームも増えるのではないかと感じてならない。(デイリースポーツ・藤田昌央)

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