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東芝、WDの「看過できない妨害行為」に対抗

6/2(金) 21:01配信

EE Times Japan

SanDiskとの合弁会社の出資持分をTMCから本体へ移管

 東芝は2017年6月2日、メモリ事業の売却に関して声明を発表した。メモリ事業の売却はWestern Digital(ウエスタンデジタル/以下、WD)との合弁契約に抵触しないとあらためて主張。売却手続きに対しWDが「看過できない妨害行為を継続的に行っている」との表現を用いてWDを強く非難し、計画通り売却を進めると強調している。

 東芝は2017年1月に、財務基盤強化の一環としてメモリ事業への外部資本導入方針を決定。同月から売却先を選定する入札手続きを進めている。2017年4月には、売却対象のメモリ事業を子会社の東芝メモリ(TMC)に移管、分社化していた。

 しかし、東芝とメモリ事業で協業関係を結び合弁会社を運営してきたWDが子会社のSanDisk(サンディスク)を通じて、「東芝がSanDiskとの合弁会社の出資持分をSanDiskの同意なくTMCに承継させたことが、東芝とSanDiskとの間の合弁契約に違反している」と主張し、入札手続きの差し止めを国際仲裁裁判所に申し立てている。

 また東芝は、WDが「入札手続きの参加者や当社取引金融機関に対して訴訟提起の意思を伝えるなど、入札手続きに対して、看過できない妨害行為を継続的に行っている」と主張する。

 そうした中で東芝は、TMCが保有するSanDiskとの合弁会社の出資持分をTMCから6月3日に東芝本体へ移管することを決定。東芝は「合弁会社の出資持分をTMCに承継させたことおよび、当社メモリ事業に外部資本を導入することは合弁契約に違反しないと考えているものの、入札手続きを予定どおり進めるべく、WDが主張する仲裁申立の根拠を排除するため、今般、合弁会社の出資持分をTMCから当社に対して移管することとしたもの」と説明している。

「合弁会社は設備投資だけを目的に設立された従業員のいない会社」

 さらに東芝は「SanDiskとの合弁会社は設備投資だけを目的に設立された従業員のいない会社であり、(メモリを製造する)四日市工場の運営は合弁会社ではなくTMCにより行われているため、合弁会社の持ち分の移行による工場運営上の影響はなく、メモリ事業の事業価値に与える影響もほとんどないと考えている」と主張している。

 東芝は、2018年3月期中のメモリ事業の売却完了を目指し、2017年6月後半までに売却先を決定し同月28日開催予定の株主総会までに正式契約を締結する方向で交渉を行っているという。なお、東芝では、「WDは入札手続きにこれまで参加していない」としている。

最終更新:6/2(金) 21:01
EE Times Japan