ここから本文です

藤原竜也、20年目の告白「蜷川幸雄さんの遺志継ぐ」

6/4(日) 8:30配信

オリコン

 1997年、15歳で演出家蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」で主役に抜擢されて以来、海外公演含む数々の演劇作品、映像作品に出演し、今年で俳優生活20年目を迎える藤原竜也。近年では映画『藁の楯』や『カイジ 人生逆転ゲーム』などで強烈な “人間のクズ”役を演じてきた藤原が、最新作『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』では時効を迎えた過去の犯罪を告白する連続殺人犯として登場する。最新出演作の撮影秘話とともに蜷川幸雄との出会いから始まった、役者人生20年の心境を語ってくれた。

【動画】藤原竜也・20年目の想いを告白

■美しき“人間のクズ”を熱演

 本作の物語は、22年前に日本中を震撼させ、未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件の犯人が突如メディアに登場し、“はじめまして、私が殺人犯です”と告白をするところから展開していく。端整な顔に不適な笑みを浮かべる男の名は曾根崎雅人。遺族を刺激し、当時の担当刑事を挑発するかのような言動をする、“人間のクズ”ともいえる強烈なキャラクターである曾根崎という役を熱演している。「伊藤英明さんや仲村トオルさんらベテラン俳優陣が集結し、現場が面白かった」と語る藤原。作品をより良いものにしようと、全員が多忙なスケジュールの中でも、現場に入る前に入念な打ち合わせを繰り返したという。

 「“テーブル稽古”と呼んでいるんですけれど、時間のない中でみんなが集まって、曾根崎は何故こういう行動を起こすのか、なぜ牧村(伊藤の役)はこの場面で入ってくるのか、といった意思確認をするんです。事前打ち合わせを結構長い時間をかけてやりましたが、みなさんそれぞれが役と向き合って主張していました。撮影中も伊藤さんはワンカットワンカット納得がいくまで芝居していましたし、入江監督も妥協せずに成立させようとしていて。才能のある方達とお仕事する面白みを改めて感じることのできた現場でした」

■心のままに歩んだ20年、始まりは細胞に刻まれた蜷川イズム

 映画は“22年前”の事件が描かれるが、藤原竜也個人として22年前は一般的な中学生の少年だった。今年で俳優生活20年目を迎える藤原に、映画にちなんで“20年目の今だから告白できること”を問うと、デビューのきっかけにもなり、その後何度も出演している舞台の演出を手掛けた蜷川幸雄についての想いを“告白”してくれた。

 「僕は演劇に触れたことのないまっさらな状態の15歳から、蜷川さんにいろいろなことを教わりました。若い頃に受けた教育は、歳を重ねても変わらずに“細胞”に残ると思うんです。蜷川さんは、シェイクスピアや日本の古典文学など幅広い世界観の演劇を作られてきましたが、“冒頭3分で観客を別世界に連れていってしまう演出家”は蜷川さん以外にいないんじゃないかな。蜷川さんのような人がいなくなって寂しい気持ちもありますし、逆に演劇に対する蜷川さんの思いや遺志を僕らが継承していかなければいけないと思っています」

■「役者の難しさ」はデビュー当時から変わらない

 藤原はこれまで『身毒丸』や『ハムレット』、『ムサシ』などの蜷川演出作はじめ、数多くの舞台に立ち、一発本番という緊張感のあるステージで経験を積んできた。自身では20年の変化をどう感じているのだろう。

 「自分をさらけ出して生きてきたので、秘密にしていることは何もありません。15歳の頃とは自分との向き合い方は変化しているとは思います。ただ、それが本当に良い方向にいっているのか悪い方向にいっているのかは…やっぱり自分では分からないですね。ひとつ言えるのは、経験を積むごとにどんどんやることが難しくなってきているような気がします。舞台も、映画も、ドラマも、どんな作品も芝居というものは難しいことには変わりないです。監督や共演者の方によっても現場は違いますし、役者というのは本当に難しい世界だなと、20年経った今も変わらずに思っています」

■目の前のひとつひとつの積み重ねで築き上げた20年のキャリア

 「今作の入江監督のような若くて才能のある方達と仕事するのは面白いですし、刺激にもなります。そういう環境にいられることが贅沢だと思っています。それを継続させるためには、やはり目の前の仕事を一生懸命やらなくてはいけない。これまでの20年間は、先のことを考えるというより“今、関わっている作品を成立させなければ次が無い”という思いで挑んできました。そのひとつひとつが成功だったのか失敗だったのか判断は難しいけれど、そうして今に繋がってきたのは間違ないですよね」

 芝居に対する難しさは20年前も今も変わらない。難しいからこそ、常に目の前の “今、関わっている仕事”を懸命に取り組んできた藤原。20年経って大人になり、今は仕事に対する余裕も出てきたようだ。

 「特に最近は昔に比べると“変なこだわり“が無くなってきています。現場に入ってみて“なるほど”と納得して馴染んでいくことが大事ですし、なんといっても作品は監督が思い描いているものがある。作品を成立させるために自分はどういう表現ができるのか、どんなことを求められているのかということを優先して考えるようにしています。演劇や映像の仕事をやり続けること自体が大変ですけれど、それはきっと意味のあること。良い台本をもらうとテンションもあがりますし、才能のある方達と出会えた時の喜びは大きい。現場で面白い方達と一緒にいるのが楽しいです。これから先も、そういう現場や出会いを期待しています」
 最新出演作映画『22年目の告白―私が殺人犯ですー』は、6月10日公開。

最終更新:6/4(日) 8:30
オリコン