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天才棋士・加藤一二三のテレビ需要が拡大 棋士とテレビの親和性

6/3(土) 8:40配信

オリコン

 史上最年少でプロ棋士となって以来、破竹の19連勝中(6月1日現在)の“天才中学生”藤井聡太四段が話題になっているが、同時にテレビやネットなどで露出が増えている棋士が“ひふみん”の愛称で親しまれている加藤一二三九段。御歳77歳、丸顔・白髪&抜けた前歯がチャームポイントで、番組出演中の天然ぶりから“愛されキャラ”も確立し、女性ファンからも「カワイイ!」と言われる存在にまでなっている。Twitterやニコニコ動画での活動も注目されるなど、精力的な活動を続ける加藤九段は、なぜタレントとしてブレイクしたのだろうか?

【写真】ひふみん、“常識にとらわれない”長~いネクタイ姿

◆天才棋士が残した常人離れの“ぶっ飛び伝説”

 加藤一二三九段(以下、ひふみん)と言えば、将棋界では“1分将棋の神様”“神武以来の天才”との異名も持つ、もはや将棋界のレジェンド的存在。先の藤井四段が14歳2カ月でプロ棋士になるまでは、史上最年少プロ棋士記録を持ち(1954年に14歳7カ月でプロ史上初の中学生棋士となる)、大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、米長邦雄永世棋聖などと激戦を繰り広げ、名人などタイトルを計8期獲得している“超実力者”なのである。

 その一方で、対局内外での“ぶっ飛び伝説”にもすさまじいものがある。『ネクタイが長すぎる』=畳につくぐらい長いのだが、本人は「まだ、短いように思えるのです」とコメント、『おやつに板チョコを10枚一気食い』、『対局中の食事は毎回、うな重』、『君たちも将棋に興味があるのかい、と猫に話しかける』=その後、野良猫にエサをあげて近隣トラブルとなり、訴えられて慰謝料204万円を支払う、『米長永世棋聖とみかん対決』=対局中にお互いにみかんを食べ続け、米長永世棋聖がみかん対決&将棋でも負ける…等々、こうした逸話には事欠かない。よく言えば“常人離れの天才肌”なのだろうが、平たく言えば“変人”ということになるのかもしれない。

◆将棋界はタレントの宝庫! ひふみん意外にも“逸材”多数

 ただ、こうした“変人伝説”は、何もひふみんだけのものではない。『別冊少年マガジン』で連載中の漫画『将棋の渡辺くん』では、漫画家の伊奈めぐみ氏が夫の渡辺明竜王の日常を描いた作品で、対局中のおやつでおしゃれなケーキを食べていた羽生善治三冠に対し、「俺はチーズケーキを3口で食べた」と変なところで張り合う(でも対局は負ける)などの変人ぶりを披露している。他にも、対局直前に金髪の若者風のカツラを外すパフォーマンスで知られる佐藤紳哉七段(カツラの下はいい感じにハゲている)や、クイズ好きの森内俊之永世名人が『パネルクイズ アタック25』(2005年/テレビ朝日系)に出場し優勝するなど、将棋界には将棋以外のことでも“常人離れ”した人間がそろっているらしいのだ。

 しかし、こうした棋士たちの変人ぶりは、一般にもどこか“リスペクト”されている部分があり、いわば“公認”のものとも言える。かつて『ビックコミックスピリッツ』誌に連載されていた漫画『月下の棋士』では、将棋の世界に生きる棋士たちが人格崩壊するほどに命を削って対局する姿が描かれていたが、やはり勝負の世界は時として“狂気”をはらむ知力・体力をかけた戦いの場であり、そのような厳しい世界であるからこそ棋士たちもスポーツ選手と同じようにリスペクトされるのである。

◆“勝負師”がもつ、常識にとらわれないカリスマ性がテレビにマッチ

 こうした勝負師・棋士たちには一般常識にはとらわれない言動も多く、テレビなどのメディアに出演した際には、他のタレントにはないマイペースな独特の魅力を放つのである。『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)に出演し、人気となった株主優待名人・桐谷さんこと桐谷広人氏も元将棋棋士であったことからも、将棋棋士とテレビの親和性は非常に高いといえるだろう。

 最近では、藤井四段の対局中の昼食が「うどん定食、天かす入り卵かけごはん」(17連勝時)だったことが話題になっているが、そうした“勝負メシ”情報だけでも“スター性”を感じさせ、将棋の世界とエンタテインメント世界との親和性がうかがえる。藤井四段、ひふみんたちの活躍で将棋界が盛り上がる今、これからも“天才”かつ“変人”そして“勝負師”という、マルチなキャラを兼ね備えたスター棋士たちの登場によって、今後の将棋界全体もメディアにおける有望な“キラーコンテンツ”として、ますますテレビに影響を及ぼす可能性が高い。

最終更新:6/3(土) 15:49
オリコン