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「就職相談を親にするのは地獄の始まり」ー古市憲寿氏が語る「100年ライフ」時代に20代がすべきこと

6/2(金) 7:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

人生100年時代になった今、20代、30代で意識しておくことは何だろうか。

昨年発売された『LIFE SHIFT~100年時代の人生戦略』をきっかけに、「人生を100年で考えよう」というさまざまな試みが始まっている。

【画像】「悲観論を上回るイノベーションを」と語る、社会学者の古市憲寿氏

イクメンやイクボスの火付け役でNPO法人ファザーリング・ジャパンでも、男性の生き方改革事業「男の100年ライフ応援プロジェクト」を今夏スタートさせるという。代表理事の安藤哲也氏はこう話す。

「定年後のことは定年になってから考えるというが、それでは遅い。仕事があるうちにワーク・ライフ・バランスを実践し、趣味、自己研鑽、社会活動といった自分にとっての3番目の居場所“サードプレイス”をどう作るか。いつまでもワクワクできる大人たちが増えれば、若年層も希望が持てるはず」

ファザーリング・ジャパンがプロジェクトのキックオフとして5月に開いたフォーラムの参加者は40~50代が中心だが、20~30代も見受けられた。女性も3割ほどと、性別や年齢に関係なく「人生100年時代の人生戦略」への関心の高さを伺わせる。

これから求められるのは“笑顔”

フォーラムで基調講演をしたのは、社会学者の古市憲寿氏。古市氏は1985年生まれの32歳だが、「父が定年後、家にいます」と早くも定年後の問題を身近に感じているという。健康寿命が75歳前後まで伸び、定年後も体力があるうちは働き続けたいという人も多い。しかし、その意思は仕事や社会に生かされにくいと指摘する。

「日本の会社はその人の専門性を雇うというよりも、“メンバーを雇う”という感覚で人材を採用します。会社内で部署の異動を繰り返し、定年時にはその会社のエキスパートになれるけれど、本当の意味での専門性が養われているかというと微妙。だから『定年後はどうする?』という問題が生じるのです」

「高齢者向けの求人欄を見ると、清掃や介護などは多くありますが、その人が積み重ねてきたキャリアや能力を生かす仕事が充分にあるとは言えません。さらに最近では、定年後も働き続けることが“老害”扱いされる場合もあります」

しかも近い将来、人工知能に多くの仕事が代替される可能性がある。これからの時代に求められるものは何か。意外にも古市氏は「笑顔」だと言う。確かに、日本の高齢者は総じて「いつも不機嫌」「横柄」「キレやすい」と評判が悪い。

「会計や経理など専門的な知識と思われていたものほど人工知能に代替されていくと言われています。だからこそ、笑顔や感じのよさが重視される社会になっていくのではないでしょうか。実際、自動チェックイン機があるホテルでもスタッフと対面してチェックインする人は多い」

“笑顔”の訓練は高齢者になってから、では遅い。20代、30代から意識する必要があるのではないか。

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