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偽携帯基地局から広告配信し16万台の携帯電話に影響をあたえる

6/2(金) 15:26配信

THE ZERO/ONE

山東省栄成(えいせい)市公安は、許可なく携帯電話基地局を設置したとして王奇龍(おう・きりゅう)を公用電信設備破壊罪で起訴し、第一審で懲役3年、執行猶予3年の判決が言い渡されたと、正義網が報じた。

携帯は繋がらず広告がやってくる

昨年の10月、栄成市の女性、胡さんが百貨店のセールに出かけた。友人の李さんが胡さんに急ぎの用事があり、携帯電話にかけたが、何度かけても圏外か電源が切れているというアナウンスが流れる。夜になって、ようやく胡さんと連絡がつくと、「携帯は鳴らなかった。故障もしていない。でも、広告のショートメッセージを何通も受信した」という。

同じ頃、栄成銀行で用事を済ませていた張さんは、電話をかけようとしたが、電波がつかめず、電話がかけられないことに気がついた。すると、広告のメッセージが何通か入ってきた。銀行を離れ、電源を入れ直してみると、携帯は元に戻り、普通に電話がかけられるようになった。

同じような苦情が複数、中国移動に寄せられ、その情報は栄成公安に伝えられた。公安が内偵捜査をしてみると、百貨店や銀行の付近で、車に乗っている怪しい人物が見つかった。駐車したまま車の中でPCをいじっている。1時間ほどで、数十m移動して、またPCを操作する。声をかけて、車を調べると、後部のトランクから怪しい機械が見つかった。携帯電話の偽基地局だった。

偽携帯基地局で広告配信

逮捕された王奇龍は、2009年に大連市で寝具用品店を開いたが、経営は次第に苦しくなっていった。王奇龍は「お金がなくて広告が打てないせいだ」と考え、なんとか自分で広告を打つ方法を考え続けた。SNSなどで宣伝をするなど、いろいろ試してもなかなかうまくいかない。2016年5月になって、王奇龍はECサイト「淘宝」(taobao、タオバオ)で面白い商品を見つけた。偽携帯基地局だった。

起動すると、妨害電波を発して、半径数百メートルの携帯電話が信号を見失ってしまう。そこに、GSMの電波を発すると、付近の携帯電話は基地局だと勘違いをして接続してくる。その状態になれば、自由にショートメッセージを送り込むことができる。

王奇龍は、この機器を7100元(約11万3000円)で購入し、長時間使えるように自分でバッテリーを増設して、車の後部トランクに積み、大連市の人が多い繁華街に行って、自分の寝具店の広告をショートメッセージで送りまくった。

しかし、寝具店のお客はほとんど増えなかった。そこで、友人の店舗経営者に声をかけて、広告を取り始めた。王奇龍は寝具店の仕事は不熱心だったが、この偽携帯基地局による広告の仕事には熱心だった。声がかかると、自分で広告の文案を考え、客先を訪問して提案をする。朝から繁華街にいき、夜遅くまで広告ショートメッセージを発信し続けた。1時間100元という料金で、公安の取り調べによると、2016年の5月から10月までの6ヵ月間で、19万通以上の広告ショートメッセージを発信し、15万台以上の携帯電話に影響を与えた。1日2000元(約3万2000円)程度の収入になったという。

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最終更新:6/2(金) 15:26
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