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「クビきり」横行を招くのか? 政府が検討する解雇の「金銭解決制度」

6/2(金) 6:02配信

マネーの達人

解雇の金銭解決制度に関しては、厚生労働省の有識者検討会で検討されており、平成29年5月には報告書をまとめる動きになりました。

制度の名前からクビきりを金で解決するとイメージもあり、クビきり横行を招くことが心配されています。

クビきりの話は実際検討会でも指摘されている話ですが、決めつけず多面的に現状を見ていくことも重要です。

日本は解雇しにくい社会と言われている

日本は諸外国に比べて解雇規制が厳しいと言われ、もう少し緩めようという動きがあるのは間違いないです。

そうした動きが「クビきりをしやすい方向をもくろんでいる」という疑念を生んでいることは考えられます。

終身雇用制は崩壊したとも言われていますが、人材育成や人事評価・昇給を行う上ではいまだに前提として根強く残っています。

解雇には、懲戒事由がある場合の「懲戒解雇」、企業の業績悪化により余儀なくされる「整理解雇」、その他の「普通解雇」があります。

いずれも従業員の能力不足や企業の業績悪化など、合理的理由の存在と社会通念上相当性がないと無効になります。

また30日前までに解雇予告をしているのでなければ、企業は給与30日分相当の解雇予告手当を従業員に支払う必要があります。

現状の紛争解決手段

■労基署へ駆け込んでも消極的な対応

労働問題の解決のため、労働基準監督署に駆け込もうという話はよく聞きますが、案件次第では対応が不親切とも言われます。労基署は

・ 労働基準法違反(残業代未払など)

・ 労働安全衛生法違反(労災事故防止が不十分なケースなど)

には熱心ですが、解雇は労働契約法に関するため労基署は消極的です。

もっとも解雇の金銭解決制度にあたっては労働契約法改正も予定されており、また長時間労働に対しては労基署の対応も厳しくなってきているため、将来的には対応が変わってくる可能性はあります。

■裁判の他、あっせん・労働審判も

一般的に解雇無効を訴える手段としては、会社を訴える民事訴訟があります。

ただ手間と費用がかかり弁護士が関与しないと難しいため、労基署に駆け込んだ場合は、まずあっせんを薦められます。

その他、裁判所で行う簡易な手続きとして労働審判もあります。

これらは、解雇に関わらず労働紛争全般にわたる紛争解決制度となります。

あっせんは都道府県や(国の機関である)労働局にある労働関係の委員会で行いますが、企業側が応じる義務はありません。

労働審判は裁判所で行う訴訟の簡易版で、原則3回の審理で解決をはかり、こちらは企業側が応じる義務はあります。

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最終更新:6/2(金) 6:06
マネーの達人