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米WD、東芝と対立解消へ工場の新設計画や資金援助を提示

6/2(金) 8:24配信

ニュースイッチ

ミリガンCEOが次週再来日

 東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却をめぐり、米ウエスタンデジタル(WD)のスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)が来週来日し、最終的な買収案を提示することが1日分かった。WDは独占禁止法の審査が長引いた際に東芝を資金支援する計画や、雇用などに配慮して四日市工場(三重県四日市市)近隣に新工場を建設する計画などを伝え、東芝の理解を得たい考え。

 WDは東芝メモリの第三者への売却に反対し、協業相手である自らが経営権を取得する形で買収を目指す意向を示している。出資パートナーとして政府系ファンド・産業革新機構や日本政策投資銀行のほか、利害関係が対立しない日本の事業会社が加わることは容認する姿勢。

 ただ日本企業側が、経営の重要事項を拒否できる3割以上を出資することは「経営責任がはっきりしなくなる」(WD関係者)と否定的。WDでは「(東芝の)時間的な余裕はなくなっている」(同)とし、来週の会談で東芝と合意に向けた道筋を付けたい考えだ。

 経営権の取得を目指すWDに対し、東芝は同業による買収は、各国の独禁法審査が長引くリスクが高いとして反発してきた。東芝メモリを本年度中に売却し、上場廃止につながる2期連続の債務超過を回避するシナリオが崩れるからだ。

 WD関係者は「本年度中に売却手続きが完了しない場合は、上場廃止にならないようにWDが資金援助することを約束する」と説明した。

<解説>
 国内のメモリー新工場建設は、東芝の半導体メモリー売却方針の引き金になった米原子力発電事業の問題が発覚した16年12月前から検討されていた。四日市市のほか、岩手県北上市を候補に検討していた最中に問題が勃発した。

 その意味では今回のWDの四日市工場の拡張計画は既定路線といえ、日本国内の世論へのアピールという側面が見え隠れする。一方、WDにとっては、東芝に代わり得体の知れない企業が合弁パートナーになるというリスクを避けたいのは当然だろう。一時は和解の雰囲気もあった両者だが、まだ対立解消は見えてこない。