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東芝、工場内を移動しながら作業する アーム型ロボ開発

6/2(金) 19:00配信

日刊工業新聞電子版

■半導体ウエハー搬送に従事

 東芝は工場内を移動しながら作業できるアーム型ロボットを開発した。部品を配膳して運んだり、組み立てたりなどの作業に対応する。本体は幅400ミリメートルで狭い通路でもロボット同士がすれ違える。早ければ年内にグループの半導体工場でのウエハー搬送へ導入して機能検証し、早期の市販を目指す。人手不足が続く中、工場内の自動化市場は膨らんでいる。人による作業を補完するロボットの需要は高い。

 ロボットは2輪駆動の自動搬送車(AGV)の上に独自のアーム型ロボットを組み合わせた構成。AGVとロボット別々でも稼働する。AGVは床に貼った市販のビニールテープを見ながら走行し、床の2次元コードを確認して速度調整や位置の微調整を行う。このため走行経路や動作の設定が簡単にでき、生産ラインの変更に柔軟に対応できる。

 AGV本体には超音波レーザーと赤外線レーザー、バンパースイッチなどのセンサーを搭載。人が近づくと減速するといった安全動作をとる。

 アーム部は4軸。本体部からはみ出ないよう、アームの3軸の動きを直進方向にし、肘関節が人や周囲にぶつからないようにした。人間でいえば手に当たる先端部を変えることで多彩な作業に対応する。

 駆動時間を増やすため、アームにワイヤを通してバネで引っ張り重さを支える機構にしてモーターの出力を抑えた。一般的な産業用ロボットより小さい24ボルトの電源電圧で駆動する。ケーブルをなくすためリチウムイオン電池を採用した。

 現状の開発品は、半導体のウエハーが入ったケースの持ち運びを想定した。アーム先端部にあるカメラで台車のマークを読み取り、位置を確認。プラスマイナス5ミリメートルの位置精度で対象物をつかんで搬送する。5キログラムの対象物を運べる。グループの工場では小型ウエハーの搬送を人手に頼っており、作業の自動化が求められている。

 今後、多様な作業への対応に加え、音声対話やテープなしの走行、複数台運用などの機能を盛り込む。AGVとロボットの組み合わせはドイツのクカや日立製作所などが開発している。