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10億円金塊密輸「なぜここで」 イカ釣り装う船、漁港に衝撃 佐賀

6/2(金) 10:23配信

佐賀新聞

 唐津市鎮西町の名護屋漁港で1日、10億円相当の金塊とみられる荷を密輸した疑いで8人が逮捕された事件。犯行に使われた船は、1週間ほど前にも同じ場所に停泊していたことが地元の人たちに目撃されている。「密輸だったなんて」「なぜここが現場に」-。漁港に動揺と衝撃が走った。

 31日午後3時ごろ、玄海漁協鎮西町統括支所のすぐそばの岸壁に漁船が接岸した。荷降ろしのさなか、静けさを打ち破るように何台もの車が一斉に詰め寄り、沖合からは海上保安庁の船が猛スピードで滑り込んできた。支所の職員の女性は緊迫した状況を振り返る。「保安官が船に乗り込み、『動くな』と叫びながら男を取り押さえていた」

青森船籍、1週間前にも

 名護屋漁港は、観光地で有名な呼子港と向かい合う小さな港で、普段は地元の漁船や瀬渡し船、離島定期便しか利用しない。

 時折、隣県の漁船が立ち寄ることはある。犯行に使われた船は青森県の船籍を表す「AM」の文字が記されていたため珍しく、1週間前にも停泊していたのを複数の人が覚えていた。

 現場近くの路上で、釣り客を相手に野菜を販売している女性(65)は「船から降りてきた男の人3人が『たばこ屋どこですか?』と聞いてきた。『野菜いらんですか?』と言ったら、『青森に帰るからいらない』と言われて。1人はどう見ても漁師じゃない雰囲気だった」と話す。

 船は照明を縦に連ねてイカ釣り漁船の外観をしているが、仕掛けを巻き上げる機械を積んでいなかった。身柄確保で騒然となった現場に駆け寄った地元の人は一目で船体の不自然さに気づき、「ただごとじゃない」と感じたという。

 名護屋漁港では2015年、日本から国外追放処分になっていた韓国人を漁船で日本に密航させたとして、韓国人の男3人が逮捕される事件も起きている。

 輸送ルートの解明はこれからだが、福岡県などで金塊を巡る事件が相次ぎ、当局の警戒が厳しくなる中、中国や韓国に近く、人けの少ない漁港が格好の陸揚げ地として狙われた可能性もありそうだ。

最終更新:6/2(金) 13:12
佐賀新聞