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第5世代通信「5G」はどこまで超ッ速なのか? 基地局体験レポート

6/2(金) 20:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

あらゆる「モノ」がインターネットに接続する「IoT(Internet of Things)」の時代が近づき、膨大な量のトラフィックへの対処法に注目が集まる中、第5世代の無線通信システム「5G」がその全貌を現わしつつある。KDDIはこのほど、5Gを用いたコンテンツを体験するイベントを開催。5Gは既存の4G LTEと比べて一体どれくらい速いのか。実際に体験してきた。

【画像】本日体験乗車したバス。実証実験のために特別に用意したという。

KDDIによると、5Gの特長は以下の3つ。

・高速・大容量
・低遅延
・多接続

5Gは下りで20Gbps(理論値)の転送が可能で、4G LTEの最大速度である1Gbpsの20倍にあたるスピードを出すことができる。ユーザーが体感する実効速度でも、既存の4G LTE(30Mbps程度/電波状況による)の100倍は出るという。また、5Gは遅延を改善していることも特徴だ。例えば、スマートフォンでVRコンテンツを楽しむ際のレスポンスがよくなるため、4G通信時よりも「VR酔い」が起きにくくなるという。

KDDIを含む大手通信キャリア各社は2020年のリリースを目指しているが、端末のバッテリー消費をどう抑えるか、通信可能容量と料金プランはどうするのか、など課題もある。取材に応じたKDDIのモバイル技術本部シニアディレクターの松永彰氏は「(5Gに比べて)低い通信速度や遅延など現在の通信システムにおける制約を取り除き、より自由なネット環境を目指す」と目標を掲げると同時に「モバイルやタブレット端末のバッテリーをどう抑えるか、エナジーセービングが課題だ」と述べた。

今回、KDDIは実証実験のために5G環境を備えたバスを用意し、5Gを使ったコンテンツを体験するデモを実施した。その様子を写真で紹介する。

こちらが本日体験乗車したバス。実証実験のために特別に用意したという。

バスの上に突起が見える。これが5Gの電波を受信するアンテナだ。

早速乗車すると、まずはサッカー観戦。複数のカメラを使って撮影した映像を統合することで、観戦する際に視点を自由に選べる技術だ。現時点ではカメラは4カ所に置いてあるが、5Gの開発が進めば10台同時撮影&生中継といったことも期待される。観戦したのは実際の試合だが、画面を見た感じはまるでゲームの「ウィニングイレブン」のようで感動する。

こちらはKDDIがパートナー契約しているプロジェクト「ハクト」の画面。この日は、バスを月面探査ローバーに見立て、バスが動くとあたかもローバーに乗って動いているかのような体験ができた。VRのヘッドセットをしているので、360度どこを向いても宇宙にいるように感じられる。バスの位置情報とアプリケーションを連携させるために5Gが活躍している例だ。

今度はLTEと5Gとでダウンロード速度を比較。これだけの数の動画ファイルだとLTEでは時間がかかるが、途中で5Gに切り替えたところ、瞬時にダウンロードが完了。3.5Gbpsの速度でダウンロードしたという。電波状況にもよるが、LTEの約100倍の速さとのこと。

5Gのアンテナは、電波の障壁となる街路樹より高くする目的で地上約10メートルに設置してある。電波は約200メートル先まで届くという。KDDIによると、スポーツなどで使うスタジアムや教育現場である学校など、需要のあるところから設置していく見通し。2020年、5Gを使った高画質・多視点動画で東京五輪を観戦したいものだ。