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新たな獣医学部は必要なのか? 加計問題を見誤るな!

6/2(金) 18:32配信

ホウドウキョク

一部メディアが連日トップニュースで取り上げるのが、「加計問題」である。
この議論が、『「官邸の最高レベル」という文書はあるのか』という些末(さまつ)な問題になっているので、何が本質なのかを論じてみたい。

前川前文科次官の記者会見を動画で見る

ポイントは、(1)日本に新たな獣医学部は必要なのか?、(2)それがなぜ加計学園1校になり、そこに官邸の指示があったのか??の2点だ。

50年以上獣医学部は新設されず。定員は1980年代から930人で固定

まず、この問題は「官邸 vs 文科省」となっているが、「官邸・内閣府 vs 文科省・獣医学会」とする方がわかりやすい。
そのことを念頭に、獣医学部問題の展開を見てほしい。

日本の大学に、50年以上も獣医学部が新設されていない。
これは、参入を希望する大学がないからという理由からではなく、許認可権を持つ文科省が、告示で門前払いしてきたからだ。文科省は「獣医の数は地域による偏在はあるが足りており、需給バランスから、新設の必要はない」という立場で、この規制により、獣医学部の数は現状維持されてきた。
もちろん、大学予算が限られている中で、十分とは言えない既存の獣医学部の学習環境を改善するために予算を回したいという理屈も理解できる。

しかし、獣医学部の国立・私立大学の総定員は930人で、他の学部よりも非常に高い人気学部なのに、定員は1980年代から増えていない。

福田、麻生内閣…「対応不可」。民主党政権も実現に至らず

そこに、風穴を開けようとしたのが、過疎と土地の有効利用に悩む愛媛県今治市だ。
2007年、福田内閣時代に、初めて獣医学部の新設を提案しているが、「対応不可」として却下されている。
その後、麻生内閣でも同様に、「対応不可」として、却下されている。

この流れが初めて変わるのが、民主党政権時代だ。
今治市は、鳩山内閣の時に、構造改革特区を生かして、「2010年度中をめどに速やかに検討する」というところまでこぎ着けている。なお、この当時から、大学設置母体は「加計学園」とされている。

しかし、文科省の規制の壁は高く、議論はなかなか先に進まない。
菅内閣でも「2010年度中をめどに速やかに検討」、野田内閣でも「2012年度中をめどに速やかに検討」としているが、実現するところまでには至らなかった。

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最終更新:6/2(金) 18:32
ホウドウキョク