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【FNN単独インタビュー全文】前川前文科次官「極めて無責任な行政だ」

6/2(金) 22:18配信

ホウドウキョク

加計学園問題で渦中の前川前文科事務次官が、FNNのインタビューに応じ、加計学園の認可に至る過程の問題点から、安倍政権下での政と官のあり方まで、1時間以上にわたって語った。

スタジオでのやりとりを動画で見る

前川氏は、国家戦略特区での加計学園の獣医学部の認可は、「行政のステップを踏まなかった。極めて無責任な行政だと思わざるを得ない」とあらためて批判した。

そして、「国民に説明できるプロセスを経なければいけないし、あった文書をなかったということはできない」として、「国民に説明できる行政をする。そうでないと、権力の暴走が起こりかねない」と警告した。

さらに、安倍一強でこうした暴走リスクが高まっているかとの問いに対しては、一般論としながらも「古今東西、長期で強い権力は、さまざまな問題を抱え込む」と警告した。



また、前川氏は、政治と官僚の関係について、国民の代表ではない官僚主導は望ましくないとしたうえで、安倍政権は「中央(官邸)からのグリップが非常に強くなっていて、中央統制的になっている」との見方を示した。

この背景として前川氏は、「内閣人事局ができてから、審議官以上の人事は大臣だけでは決められないということになっている」として、「そうなると官邸ににらまれたくない気持ちが役人の間に芽生えても仕方ない」と懸念を示した。

以下インタビュー内容(※粗起こし、一部割愛)

Qゆがめられたものは具体的には何?

その規制緩和の行政における意思決定のあり方。きちんと議論しそのためには一定の時間かかる、ステップある、検証すべき事柄ある、そのうえで判断すべきである。そういう問題であるにかかわらずステップ手続きほとんど踏まれないまま結論出てしまった。そこに問題あると思っている。



Q手続きゆがめられた。結果についてもおのずとゆがめられた?

きちんと手続き踏まなければ出てこない結論、結論はやはり正当なものとは言えない。



Q新設すべきでない獣医学部が新設するべきという方向?

新設すべきかわからないものが新設すべきとなっている。



Q総理は1日「私の意向かどうかは、(次官であれば)確かめようと思えば確かめられる」と述べているが。

事務次官というのはやはり事務次官。次の官。大臣支える立場。役人の世界でも官邸には官房副長官がいる、私が官邸で話した和泉総理補佐官も官僚の世界の方。そういった方と私が接するのは自然なこと。そういった方をすっ飛ばして総理にお会いするとか、大臣をすっ飛ばして総理にお会いするとか事務次官はそういう立場ではない。

国家戦略特区意思決定に関しては本来総理のご意向あるかないか関係ない。あろうとなかろうときちんとステップ議論して検証すべきものは検証して、4つの条件が満たされているかはちゃんと検証したうえで判断すべきだった。総理のご意向あるかないかは本来関係ないと。



Qステップを踏めなかったのは何故なんですか。総理のご意向と書かれた文書があったりしたからなんですか?



前川:それは国家戦略特区の主務官庁は内閣府なんですね。内閣府が事務方を務める、国家戦略特区諮問会議というものがあって、ここで新たな規制改革事項を認めるかどうか決めると。4月9日にそれが行われたわけですけど。

その主務官庁である内閣府が、我々の目から見ると、非常に性急に強行にことを進めていってですね、文部科学省はあくまでも協議を受ける立場なんですけど、協議を受ける立場にあって、これはもうちょっとちゃんと検証しなければいけないんじゃないですか。4つの条件に照らしてどうなんですか。国家戦略特区という、国際拠点を作るという目的に対しても、本当に大丈夫なんですか。あるいは新しい獣医学部を作るにあたって、本当に新しい分野の人材需要があると言えるんですか。それを農水省や厚労省はちゃんと明確にしてくれているんですか。そういう懸念材料は全部申し上げて、それは何度も何度も申し上げて、内閣府として、ここのところをちゃんと検証しないで、無責任に決めていいんですかと。こういう投げかけはしていたわけですよね。していたけれども、しかし主務官庁は内閣府ですから、最終的に結論まで持っていくかどうかは、我々、文部科学省、振り切っていくことはできるわけで、実際に振り切られていっちゃったわけですから、文部科学省としては、協議される立場として、非常に疑問を感じながらも、ついて行かざるを得なかったということですよね。



Q前川さんがこうしてメディアにおいでになって発信されることとも繋がるとも思うんですけど、そうやって内閣府に文科省が振り切られたこと、国民、日本にとってマイナスであったと。そういうことなんですか?



前川:きちんとした検証されてないという意味では、マイナスになると思いますね。これは新しい学部を作ればですね、そこに国民の税金としての、私学助成もいくわけですしね。そういう本当に、それだけの税金をつぎ込む意味があるのか、ということはですね、事後的にもやはり検証はされなければいけないと思いますけどね。



Q国家戦略特区はトップダウンで打ち砕くという、政府側の説明に対しては、いかがですか?



前川:どんな規制でもですね、それを緩和すべきかどうかということは、きちんとした議論をして検証した上で、決めるべきことですね。例えば麻薬の規制を、岩盤規制だと言って、全部取っ払うのはいいのかといったら、そんなことはないはずなんで、規制は規制なりの、少なくともそれまでの時代における、一定の役割を果たしていたと。それをよく検証して、これは時代遅れだねと、この部分は穴あけましょうと、緩和した方がいいねと、それはやはりきちんと議論して、その上で決めるべきことであって。

私は規制緩和に反対しているわけではないですし。改革すべき規制はたくさんあると思っています。私も現職のときに、色々な規制緩和に関わりましたし。例えば学校教育というものを、ある程度緩めながら考えていくと。これは大事なことだと思っています。学校制度のもとでも、相当な規制緩和が今まで行われていますし。意味のあるものはたくさんあると思っている。だから規制緩和には、一律反対ではないですよ。規制を残すべきとも思わない。ただ規制緩和をするなら、ちゃんとした議論がなければいけないし、それが少なくとも、議論の拠り所となる、条件を決めたのだから、2015年の6月に閣議決定で決めたわけですから、その閣議決定で決めた4条件に照らしてどうかと、このくらいはちゃんとやらないとですね。結論に飛びつくのはおかしい。



Q反省も口にしているが、文科省は抗いきれなかった。なぜ内閣府は振り切ることができたのですか?振り切ったわけは何ですか?



前川:そこは内閣府に聞いていただかないと分からない。ただ文科省はそれ以上抵抗できない状況があったのは事実。



Q大臣はそこに理解を示していたんですか?



前川:大臣も疑問を抱きつつ、同調せざるをなかったというところが実態だと。



Q元内閣官房参与の木曽さんとのやりとり、木曽氏から獣医学部新設を早く進めてほしいと伝えてこられたと、こういう証言がありました。これに対して、木曽さんサイドは反論していて、前川さんが、退官後の身の振り方について、考えを聞いてほしいと。この事実関係はどうか?



前川:木曽さんがお見えになったときに、か前川さん、退官後どうするのかという話はあったのは覚えている。知人が誰か知らないが、頼まれたという事実は、私は承知していません。



Qつまり前川さんは頼んだ覚えはない?



前川:頼んだ覚えはないです、。



Qそして加計学園の問題について、社交辞令としてよろしくくらいは言うかもしれないが圧力をかける理由もないと。この圧力の空気は?



前川:圧力は感じなかった。3年先輩ではあるが、よく存じ上げている方、何かこう上から押さえつけるような、そういう圧力は感じなかった。圧力という言葉はあたらないと思う。しかし木曽さんは加計学園の理事であった。獣医学部新設をよろしく、という気持ちは理解できた。

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最終更新:6/2(金) 22:18
ホウドウキョク