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遡上年間100万匹超 アユ釣り解禁 多摩川

6/2(金) 19:26配信

カナロコ by 神奈川新聞

 多摩川のアユ釣りが1日解禁され、川崎市多摩区や高津区のポイントに天然アユを求める釣り人が早朝から繰り出した。アユの推定遡上(そじょう)数がこの10年以上、年間100万匹を超える高水準の多摩川。川崎河川漁業協同組合菅支部代表総代の山崎充哲さん(58)は「“死の川”がきれいな川に回復した象徴で、初夏の使者として定着した」と話す。

 同漁協によると、釣り人に人気があるのは多摩区の二ケ領上河原堰堤(えんてい)の下流や、高津区の二子橋周辺。監視員が堰堤の下流で釣果を確認したところ、午前6時から8時半までに体長20センチを超えるものを含めてアユ23匹を釣った男性がいた。体長17~18センチが平均。「例年よりは数はやや少ないが大ぶり」という。

 多摩川のアユは秋に産卵した後、冬を東京湾で過ごし、3月ごろから遡上を開始して縄張りをつくる。

 1983年から多摩川で定置網による調査を続ける東京都島しょ農林水産総合センター(港区)は「2006年以降は推定100万匹を上回る遡上が続いている」と話す。増減が激しいが、12年は1194万匹と調査開始以来最高を記録、16年は463万匹だった。

 かつて清流に恵まれた多摩川では天然アユが豊富に取れ、江戸時代には将軍家に名産品として献上された。高度成長期に生活排水による水質汚染で姿があまり見られなくなった時期もあるが、下水道整備による水質改善、魚道整備など関係者の努力で復活した。

 地元で生まれ育ち、「多摩川の自然を守る会」の活動も続ける山崎さん。「ふるさとの川が汚れて悲しんだが、魚を食べられる状態にまで戻った。足元の環境を大切にしたい」と話す。アユ釣りの解禁は10月15日まで。