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バス停包むアート 珠洲に4カ所、奥能登国際芸術祭

6/2(金) 2:22配信

北國新聞社

 9、10月に珠洲市で開催される奥能登国際芸術祭(北國新聞社特別協力)に向け、ロシア出身の建築家アレクサンドル・コンスタンチーノフさん(63)が、市内のバス停4カ所で展開するアート作品の公開制作を始めた。アルミの角材を格子状に組み合わせ、既存のバス停を包み込むようにする。「作品が珠洲の人々の生活の一部となり、長い時間をかけて自然の一部になることを願う」と抱負を語る。

 5月下旬、妻と珠洲入りしたコンスタンチーノフさんは正院町川尻のガソリンスタンド跡地で、日本人スタッフ2人とアルミの角材にくぎを打ち付け、切り口を滑らかにするなどの作業を進めている。

 バス停は、能登半島最先端を内浦側から外浦側へ巡る北鉄奥能登バスの正院(正院町正院)、珠洲川尻(同町川尻)、能登洲崎(折戸町)、笹波口(笹波町)の4カ所で、通し番号を持った作品になる予定だ。手始めに漁港に面した「能登洲崎」のバス停を覆う作品を制作している。

 コンスタンチーノフさんは「昨年10月末に珠洲を巡り、バス停の地理的な条件を考えて作品を練った。漁港に隣り合う能登洲崎なら、放浪のバス停というイメージです」と話す。

 珠洲川尻は「川」の文字を生かし、雨や涙のように、水が上から下へと垂れるような外観、日本海に面した笹波口では水平線を思わせる外観にする計画だ。海岸線に連なるバス停を舞台とする構想は歌川広重の代表作「東海道五十三次」に触発されたともいう。

 1990年代から欧州や米国などで個展活動をしてきたコンスタンチーノフさんは、既存建物の「再生」を創作のテーマに据えてきた。

 「珠洲は日本と世界のはざま。立山が見える内浦側が日本だとすれば、外浦側の海の向こうには世界が広がっている。そういうイメージを作品に表現したい」と意気込むコンスタンチーノフさんは、6月中ごろまで滞在する予定である。

北國新聞社

最終更新:6/2(金) 2:22
北國新聞社