ここから本文です

ジェットスター上海就航 問われる空港と自治体の”LCC本気度”

6/3(土) 10:01配信

Aviation Wire

 ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)は6月2日、初の中国本土路線となる成田-上海線を週4往復で開設した。エアバスA320型機(1クラス180席)で25路線を運航する体制となり、2018年春には中部空港(セントレア)を第3拠点化する計画を進めている。

【ピーチは羽田から上海へ】

 国が掲げる2020年の年間訪日客数4000万人達成には、アジアで市民権を得ているLCCの規模拡大は不可欠。最大マーケットの一つである上海へは、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)が国内LCC初となる羽田-上海線を2016年11月に開設し、ジェットスター・ジャパンが今回の成田-上海線で続いた。

◆競合研究した中部

 成田-上海線の就航で、ジェットスター・ジャパンは21機のA320により、国内線16路線と国際線9路線の計25路線を運航。今後の新路線について、ジェリー・ターナーCEO(最高経営責任者)は「年末に次の機材が来るので、さまざまな選択肢を考えている」と述べ、早ければ2018年初頭にも、中国本土を含めた新たな就航地も視野に路線拡大を進めていく考えだ。

 ジェットスター・ジャパンは5月24日、中部を成田と関西空港に続く第3の拠点にすると発表。2018年春に拠点化して3機のA320を夜間駐機し、中部圏でのパイロットや客室乗務員の採用も100人規模で計画している(関連記事)。

 中部では、2019年度にLCCターミナルが開業予定。ジェットスター・ジャパンは現時点で同ターミナルの使用を明言していないが、運営する中部国際空港会社の友添雅直社長は、「LCCのニーズを吸い上げているつもり。コストをいかに抑えるかだけでははく、利用者が不便な空港であってはならない。きっと入っていただけるターミナルになる」と誘致に自信を示す。

◆コスト課題の関空

 一方、第2拠点である関空には、4機を夜間駐機。中部を第3拠点化する中で、関空路線の拡大については、「(関空を運営する関西エアポートと)コストの話し合いを進めている」(ターナーCEO)として、割高なターミナル使用料などを関西エアポートが見直すかが焦点となる。

 ジェットスター・グループとしては、長距離国際線を飛ばすジェットスター航空(JST/JQ)が、日本へ乗り入れた初のLCCとして、2007年3月25日に豪州シドニーから関空へ就航。現在関空には、ジェットスター航空のケアンズ線が週最大7往復、ジェットスター・アジア航空(JSA/3K)が台北経由のシンガポール線を1日最大2往復、マニラ経由のシンガポール線を週最大4往復運航している。そして、ジェットスター・ジャパン初の国際線は、2015年2月28日就航の関西-香港線だ。

 グループの相乗効果が見込める関空は、アジア太平洋地域からの旺盛な訪日需要を取り込めるため、本来であればジェットスター・ジャパンも路線を強化したいところだ。

 ジェットスター・ジャパンの機材数は、2019年までにA320が28機となる計画。機材が増える一方で、本拠地である成田は午後11時までしか離着陸出来ない夜間飛行制限、関空は運航コスト、中部は空港会社が協力的ながらも市場規模が東京や大阪より小さいなど、3つの拠点は異なる課題を抱える。

 2020年までに残された時間は少ない。4社ある国内LCCのうち、上位2社の上海就航で中国本土進出が本格化する中、今後はLCCの自助努力に加え、空港運営会社や自治体が我が事と捉えて問題解決に当たる気があるのか、LCC支援の本気度がこれまで以上に問われると言えるだろう。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:6/3(土) 10:01
Aviation Wire