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明治維新150年 水戸市が事業拡充

6/3(土) 10:00配信

茨城新聞クロスアイ

明治改元から来年で150年を迎える。近代国家への歩みを進める転機となった「明治維新」は、水戸藩で育まれた学問が影響を与えたとされている。このため水戸市は本年度から、明治維新に関連する歴史資源の復元や史跡巡りなどの事業を拡充する。歴史的な改革に大きな役割を果たした水戸藩の歴史を学ぶ場を拡充し、郷土愛の醸成を促す考えだ。 (水戸支社・前島智仁)

■原動力

近代国家への転換点となった明治維新は、主に薩長土肥の各藩や西郷隆盛、木戸孝允らが立役者として知られる。ただ、その“原動力”となったのは、水戸藩で受け継がれた精神が基になったとされている。

水戸藩の学問は2代藩主、徳川光圀が手掛けた「大日本史」編さん事業により育まれた。9代藩主の斉昭が文武を磨く教育機関として創設した「弘道館」に発展、明治維新のきっかけとなる尊王の思想に大きな影響を与えた。

その精神は、斉昭の子で、最後の将軍として大政奉還を果たした慶喜の決断にもつながる。市歴史文化財課は「水戸で育まれた学問が多くの幕末の志士たちに影響を及ぼした。明治維新に果たした役割は大きいと言っていい」と説明する。

■水戸の顔

こうした史実を背景に、水戸市三の丸周辺にあった水戸城の周辺では、これまで歴史資源を生かした取り組みが行われてきた。市立三の丸小から弘道館、県立水戸三高周辺を結ぶ「三の丸歴史ロード」では、1983年以降、市や民間が中心となり白壁による景観を整備してきた。

来年は明治維新150年の節目となることから、市は水戸城正門に当たる「大手門」や城を取り囲む「土塀」と「二の丸角櫓(すみやぐら)」の復元に乗り出す。

大手門は弘道館東側の大手橋を渡った市立水戸二中と茨城大付属小の敷地にまたがる形で復元。木造2階建ての建築物を7日に着工し、2019年度の完成を目指す。

二の丸角櫓と土塀は“水戸の顔”として整備を進める。同付属小の南西側に復元する二の丸角櫓は、JR水戸駅北口のペデストリアンデッキから眺望できる位置にあることから、駅前の観光交流拠点としても寄与しそうだ。

■歴史への理解

このほか、ソフト事業として、地元の歴史文化に対する理解を促す史跡巡りや講座開催など、多彩な事業を繰り広げる。

夏休み期間中の8月上旬には、弘道館や偕楽園、水戸藩郊外で運営され多くの門人を輩出した私塾「日新塾」など、市の郷土かるたに登場する明治維新ゆかりの名所を巡るツアーを開催。親子連れを主な対象として、水戸の歴史に対する理解を深め、郷土愛の醸成を促す。

10~11月には学識経験者を招き、明治維新前後に水戸で起こった出来事を振り返るリレー講座を開催。江戸期から明治期に移行する激動の歴史を再確認する。さらに、歴史を分かりやすく伝えるアニメーションビデオ制作なども含め、映像資料を活用した郷土教育の推進も検討している。

茨城新聞社