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【中日】外れ外れ1位の荒木がプロ22年目で2000安打!

6/4(日) 6:04配信

スポーツ報知

◆日本生命セ・パ交流戦 中日1―5楽天(3日・ナゴヤドーム)

 中日・荒木雅博内野手(39)が、史上48人目の通算2000安打を達成した。楽天戦の4回1死で、美馬から右前安打を運んだ。入団時は線が細く非力だった95年の外れ外れドラフト1位が、名手として鳴らした守備と走塁にとどまらず、打撃でもプロ22年目にして金字塔を打ち立てた。

【写真】恩師の楽天・星野仙一球団副会長に頭をなでられ祝福された荒木

 荒木らしい軽やかな右打ちだった。4回1死の第2打席。「タイミングが合わないと思ったので、バットを止めたんですけどね」。美馬の外角スライダーにパチンと合わせた当たりは、通算2000本目の安打となって右前で弾んだ。入団時の監督だった楽天・星野仙一球団副会長から花束を手渡されて瞳が潤み、よしよしと頭をなでられ涙があふれそうになった。「(チームメートの)引退試合以外では(涙が)こぼれない人なのにね。ウルッときたことにビックリしました」と恥ずかしそうな顔をした。

 誰が、あのガリガリに痩せた少年が大記録を達成すると想像しただろうか。1995年ドラフト1位で中日入団。とはいえ、福留孝介(現阪神)、原俊介(元巨人、東海大静岡翔洋高監督)の“外れ外れ1位”。星野監督が「なんであんな非力なのを獲ったんだ」とスカウト陣をどなり散らしたほどだった。

 入団後も芽は出ず、97年秋に星野監督から「足を生かせ」と両打ち転向を命じられた。だが、新たな取り組みは混乱を招き、翌年から3年間でたった3安打。01年開幕前、見かねた水谷実雄打撃コーチに再び右打席専念を言い渡された。転機は同年3月16日の巨人とのオープン戦。右打席で右腕の入来智から右越え二塁打を放った。「何だ、この簡単な感じは」。同年は111試合で92安打。6年目でスターダムへの第一歩をしるした。

 昨年4月、熊本地震が発生した。変わり果てた故郷に、テレビの前で絶句した。すぐに知人を介して飲料水2000リットルを運送する手はずを整えた。その後も1000万円を寄付し、チームの内外にも善意を呼びかけた。「大変な中、応援してくれる人は多い。故郷のためという気持ちは強い」。地元への思いが、安打を積み重ねる後押しにもなった。

 2000安打達成時点で通算33本塁打は歴代最少。名球会では400勝投手・金田正一氏の38本より少ない。「これだけ打撃の悪い人間でも、得意なことを伸ばしたらここまで来られた。33本のおかげで2000本打てたという感じ」。守備走塁は今も球界屈指。非力も勲章だと自負している。

「もう1年」現役 次なる目標は現役続行。「もう1年やりたいなと思っている。中日の野手で誰も23年やった人はいないから」。在籍年数で並ぶ立浪和義氏を超えるシーズンが視界に入っている。ただ、記録のためだけにユニホームを着続けるつもりはない。「うまくなりたい気持ちがなくなったら辞めるでしょうね」。9月13日に40歳を迎える大ベテラン。いまだ道半ばだ。(田中 昌宏)

 ◆荒木 雅博(あらき・まさひろ)1977年9月13日、熊本・菊陽町生まれ。39歳。菊陽中で野球を始め、熊本工2、3年時にセンバツ出場。95年ドラフト1位で中日入り。07年に盗塁王。ベストナイン3度、ゴールデン・グラブ賞6度受賞。08年北京五輪日本代表。ニックネームの「トラ」は元タレントの荒木定虎さんから。180センチ、74キロ。右投右打。年俸7040万円。

最終更新:6/4(日) 8:29
スポーツ報知

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