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【三浦瑠麗Lullyのホンネ】憲法9条2項「軍持たない」を削除すべき

6/4(日) 12:02配信

スポーツ報知

 安倍総理が2020年までに改憲の熱意を示したことで、憲法がにわかにホットトピックとなりました。

 9条改正を提起した自民党に対し、蓮舫さんならずとも「なぜ今なんですか」「なぜ年限を区切るんですか」と問うのはたやすい。70年間も放置し、ガラス細工のような解釈の積み上げをやってきたことを思えば、あと10年待とうが20年待とうが変わらない(解釈は別として)という意見には、一見それなりに納得感があるように見えます。

 しかし、その「なぜ」には日本特有のよろしくない文化が潜んでいます。必ず、物事を「変える側」に立証責任が覆いかぶさってくる構図です。それは、同性婚を認めさせたい人にも同じように暴力的に降りかかってくる圧力です。だから、9条のような重要な問題で「なぜ今なんですか」と問うのはやめた方がいい。

 9条改正と言いますが、9条には1項と2項があって、1項は不戦条約の理念そのままに(侵略)戦争の放棄をうたっています。2項は、陸海空軍その他の戦力(つまり普通に読めば軍)を持たないとし、それに加えて交戦権を日本は持たないと定めています。お分かりのように、1項は自衛戦争以外の戦争を禁ずる国際法をきちんと守っていれば実現できる定め。ところが、2項の存在に関わらず日本は自衛隊を持っている。おまけに交戦権は持たないのに、自衛戦争の権利はあると。

 憲法改正論議の本丸は、誰がどう見ても9条です。私は2項を削除すべきだと思います。自衛隊を明記し、政府や国会による文民統制を書き込むべきと思います。自衛隊を日陰者の地位に置いたところで、文民統制が強化されるなんてことはみじんもないからです。むしろ、透明化し、国会議員も安全保障の知識を身につけた方が統制しやすいもの。また、日陰者にだけ、いざとなれば戦って来い、というのはむちゃです。

 不毛な国内対立をいったん離れて考えておくべきは、9条改憲にあたって日本が打ち出すべきメッセージとは「再軍備した日本は引き続き平和国家である」ということです。それはいささかも変わらないんだと。むしろ、それでこそ真の平和国家性が試されることでしょう。(国際政治学者)

最終更新:6/4(日) 12:02
スポーツ報知