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象牙の代わりにシカの角 三味線の糸巻きグリップに活用 北海道音更町の牧野孝二さん

6/3(土) 14:52配信

十勝毎日新聞 電子版

 三味線愛好者で音更在住の会社経営牧野孝二さん(64)は、自身が所有する津軽三味線を「エゾシカ仕様」にモデルチェンジした。糸巻きのグリップ部分にエゾシカの角を使用した。猟友会に所属してわな猟も行う牧野さんは出来栄えに満足し、「駆除されたエゾシカを有効に活用できた」と話している。

 三味線の糸巻きには、黒檀(こくたん)や象牙が使われることが多い。象牙については、1990年のワシントン条約の下で国際取引は原則禁止に。現在も国内での流通はあるものの、希少な材料となっている。

 こうした背景から、音更町内の猟友会に所属している牧野さんは、「象牙の代わりにエゾシカの角を使ってみたらどうだろうか」と発案。知人であるキリヤ和楽器店(帯広)の米澤武代表(54)に相談したことがきっかけでエゾシカモデルの検討が始まった。

 相談を受けた米澤さんは昨年末から制作に着手し、4月末に完成させた。密度の高い象牙と異なり、エゾシカの角は中央部がスポンジ状になっていて強度が弱いため、加工には頭を悩ませた。そこで黒檀とつなぎ合わせ、グリップ部分にエゾシカの角を施した。

 生まれ変わった三味線を受け取った牧野さんは「角を使うと見栄えがいい」と笑顔。「音質は変わらないが観賞用にしたい」と大切にしている。

 米澤代表は「このような発想はなかった。初めてなので作るのに試行錯誤したが、面白いものができた」としている。

 「エゾシカ仕様」の津軽三味線は販売していないが、制作の相談は同店(0155・23・2448)へ。(藤島諒司)

十勝毎日新聞

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