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タッグ4作目が公開中。互いを信頼し合う石井裕也&池松壮亮が早稲田大学の講義に登場

6/3(土) 18:33配信

ぴあ映画生活

『舟を編む』『ぼくたちの家族』の石井裕也監督が、6月3日、早稲田大学で行われている講義『マスターズ・オブ・シネマ』の“PFF×早稲田大学のコラボレーション企画”に登壇。詩集から映画を生み出すという新たな挑戦をした『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が公開中の監督が、同作で主演を務めるスペシャルゲストの池松壮亮と共に、今を生きる大学生に、映画作りの姿勢や互いへの信頼を語った。

講義『マスターズ・オブ・シネマ』の模様

「映画作りって言ってしまえば勝負というか、自分の人生がその1本で大きく変わるわけです。良くもなれば悪くもなる。その作品のために生まれて、終われば死ぬっていう、極端なことをいうとそういう気分でやっている。出資者も俳優もスタッフも、みんなの人生の大きな何かを背負って作っているという感覚がある」と、映画作りへの真摯な想いを吐露した石井監督。そしてドラマ作品も含め、4本目のタッグとなった池松に対する全幅の信頼を口にした。「自分の人生が、多くの人の人生が台無しになるかもしれないってとき、どうしても強力な仲間が必要になる。それが池松くんなんです」。

池松は実際に仕事をする前から石井作品にほれ込んでいたと言う。「福岡から東京に出てきて、自分の居場所を知るために映画を観まくっていた時期があって、石井さんの作品をたまたま観て虜になったんです。普段自分が抱えている感覚を、なんでこの人は映画でやってくれてるんだろうと思った。映画って自慰行為ですよね。でも石井さんは、映画を観たその先、観た人たちのその先までを見据えて映画を作っている。今の社会と、そして観ている人と、映画が繋がってるんです。この人に会わなきゃいけないと思いましたし、この人と映画を作っていかなきゃいけないんじゃなかって思いました」。

質疑応答では脚本も手掛ける監督に「良い脚本とは」という質問があがった。これに石井監督は「物語の筋なんて20パターンくらいしかないんです。僕が製作者とか現場で演出するうえでいいと思える脚本というのは、余白があるということ。スタッフや俳優たちが、ここは赤い照明でとか、ここは手持ちでとか、美術はこうだとか想像していく。一定の進路は保ちつつ、あらゆる人の想像力を喚起させる余地のあるものが、僕がいいと思っている脚本です。全部は書かない、想像させる。実際、以前の作品でト書きに事細かく書きすぎてしまって、俳優さんの芝居を制限してしまったことがありました」と体験を交えて答えると、受講生たちは熱心に聞き入り、その後も次々と質問の手が挙がった。

石井監督は、10年前に大阪芸術大学卒業制作の『剥き出しにっぽん』にてPFF(ぴあフィルムフェスティバル)の自主映画のコンペティション『PFFアワード2007』でグランプリを獲得。本講義には、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』の海外展開を担当しているPFFディレクターの荒木啓子も参加した。

第39回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)は、9月16日(土)から29日(金)まで、東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催。『PFFアワード2017』入選作品は、7月上旬にPFF公式サイトにて発表予定。

第39回PFFぴあフィルムフェスティバル
9月16日(土)から29日(金)まで ※月曜休館
会場:東京国立近代美術館フィルムセンター(東京都中央区京橋)

取材・文・写真:望月ふみ

最終更新:6/3(土) 18:33
ぴあ映画生活