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中山優馬「宇宙に行った気分」海老蔵に導かれ初挑戦した歌舞伎語った

6/3(土) 14:02配信

スポーツ報知

「石川五右衛門 外伝」9日開幕

 歌手で俳優の中山優馬(23)が歌舞伎に初挑戦する舞台「石川五右衛門 外伝」が、9日に東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで開幕する。同作は歌舞伎俳優・市川海老蔵(39)が企画、製作を手がける「ABKAI」公演で、2013年から4作目で歌舞伎俳優以外が出演するのは中山が初めてだ。09年には「NYC boys」としてNHK紅白歌合戦の出場経験もあるが、最近は主に俳優業を中心に活動。06年にジャニーズ事務所に入所して10年以上が経過。充実感たっぷりに「30歳までが本当の勝負」と力を込めた。(畑中 祐司)

 これから中山が飛び込むのは、自身にとって何もかも経験のない世界だ。まだ23歳ながら、俳優として、いくつもの作品で“他人の人生”を演じてきた。だが、今回まったく訳が違う。挑もうとしているのは日本の伝統文化、歌舞伎だ。

 「俳優として、自分じゃない誰かになるっていうのが楽しいけど、それで言うと今回は究極だと思う。自分のところがまるでない世界。しゃべり方もしゃべっている言葉も異世界。宇宙に行った気分です」

 見得(みえ)の切り方や立ち居振る舞いなど、すべてが一から学ぶことから始まる。そこに楽しさも感じながら、ただただ奥深さを痛感する。

 「歌舞伎界に弟子入りした気分。所作もそうですけど、一番難しいのはセリフ。『かしこまってござりまする』っていう一言でも、自分で読んでみたら、先生に『もっと歌舞伎で』って…。えっ、どういうことですか?みたいに。分からないから、先生のセリフを録音して、それをずっと聴いて練習するという感じでした」

衝撃、圧倒、そして挑戦

 海老蔵とのけいこは、本番2週間前になっても始まらなかった。カルチャーショックの連続だった。

 「歌舞伎の世界はそうらしくて。経験上、もう2週間前だと仕上がりだしている。でも、みなさん焦っていなかった。今回はまだ長い方って聞いた時は、正直びびりました」

 海老蔵からオファーされたこと自体、耳を疑った。周りを固めるのは中村壱太郎(26)、市川右團次(53)ら。今回の演目は、昨年11月の博多座公演「石川五右衛門」をバージョンアップしたもので、現代の要素を取り入れたものだというが、中山が異色の存在には変わりない。

 「俺でいいの?っていう感じでしたけど、この世界(芸能界)にいても一生に一度も(歌舞伎の)経験がない人の方が多いわけですから、ありがたい。僕もこの世界に入って11年ぐらいですけど、まだこうやって初挑戦と呼べるものがあるというのが、ありがたかった」

 海老蔵との共演を心待ちに、初対面したときの印象は強烈だった。相手は本番を控え、会話したのは、たった10秒。海老蔵が発した言葉は「よろしくお願いします」の一言だけ。

 「その一言で圧倒された。本物や!って。やっぱり“異人”。海老蔵さんと舞台に立てるなんて思い描いてもなかったですから。ありがたいなというのはあるんですけど。存在すると思っていませんでしたから。それぐらいの人。華があるし、カリスマですよね」

 海老蔵は「若い方々に歌舞伎をもっと知っていただく良いチャンス」と期待する。そんな中、必死にけいこを積むことで不安を取り除きながら、海老蔵とともに開幕に向かっている。

 「やっても、それが正解かも分からないですし、そんな、ちょっとの間で何百年の伝統に追いつけるわけない。もちろん不安の方が大きいけど、自分の現代の雰囲気と歌舞伎の、いいマッチングというか、そういう雰囲気を入れられたらなという思いと、海老蔵さんの存在感を一番身近で感じられることが何より」

 今は目の前の公演だけに必死に取り組むが、8月1~27日には女優・大竹しのぶ(59)主演のミュージカル「にんじん」(東京・新橋演舞場)の出演も控える。

 「いい作品が続いていて、怖い。毎回挑戦。大竹さんも“化け物”みたいにすごい人ですから。演出の栗山(民也)さんとも、これまた一生に一度だと思う」

 直近では直木賞作家・石田衣良氏の同名小説が原作のWOWOW「連続ドラマW 北斗―ある殺人者の回心―」に主演。初の殺人鬼役を演じるため、撮影までの3週間で12キロの減量にも取り組んだ。生半可な気持ちでは、やり遂げられない役だった。

 「人に恵まれて、作品に恵まれて、勉強させていただいている。そういう出会いがあることがありがたい。毎回『ああ楽な仕事ってないな』って思う。その分、楽しみですけどね。難しいほど割り切れるというか。まったく太刀打ちできない方こそ燃える。“負け戦”じゃないけど、やるしかない!みたいに」

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最終更新:6/3(土) 14:02
スポーツ報知