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【UCL決勝直前#4】準決勝から見えた両者のストロングポイントとは

6/3(土) 6:10配信

theWORLD(ザ・ワールド)

戦い方をミスしたモナコ 試合巧者ユーヴェはそれを見逃さない

今季のユヴェントスが苦手としているのは、総合力で比較した格下の相手が、試合の立ち上がりから“無秩序”を良しとして圧力を掛けてくるケースだ。

セリエAではローマ、インテル、ミラン、ジェノア、フィオレンティーナの5チームに敗れているが、ローマを除くその他4チームは試合の立ち上がりからユヴェントスのリズムを乱すことを主眼に置き、強気の前傾姿勢を貫いた。その結果、ユヴェントスは軽率なミスから失点を招き、集中力を欠いて“らしさ”を取り戻せないまま黒星を喫する。今季のユヴェントスにおける隙がそこにある(そこにしかない)ことはリーグの戦いを見れば明らかだ。

その点でモナコは、4強に残ったチームのうち最も対戦したくない相手だった。リーグアンでは圧倒的な決定力を武器に独走したが、チームの総合力という意味においては未完成と言える。しかしその不完全さこそが、このチームにとって最大の武器であり、ユヴェントスにとって脅威だった。だからこそ、モナコによるアップセットの予感も十分にあった。

ユヴェントスにとって幸運だったのは、第1戦の立ち上がりの10分、背後を取られることを恐れたモナコが“構えた”ことだ。約10分間のウォームアップで“試合に入る”ことさえできれば、ある程度押し込まれることになっても冷静に対応できる。

しびれを切らしてモナコのエンジンをふかしたのは18歳の新鋭ムバッペだ。12分はCKのこぼれ球から、16分はユヴェントスの軽率なミスからいずれも最終ラインの背後に飛び込んでシュートを放った。もし、いずれかが決まっていたら試合の流れはわからなかった。特に16分のシュートは死角に消える動きとスピードの緩急によってボヌッチとの駆け引きを制したもので、パワーやスピードだけではない彼の動きの質の高さを証明したシーンでもある。

ところがモナコは、ユヴェントスを押し込んだことでチームとしての“若さ”を露呈した。テンションが上がって攻撃陣は前傾姿勢を取ったが、守備陣が構えたまま。陣形が間延びして中盤にスペースが生まれ、それを見逃さなかったディバラとダニ・アウベスに急所を突かれる。

イグアインの先制ゴールは29分。試合の流れはこのゴールで決まり、モナコは“リード”の余裕を持ったユヴェントス守備陣を崩し切ることはできなかった。59分にもイグアインが追加点を奪いアウェイの第1戦を制した。

迎えた第2戦、モナコは立ち上がりの10分に猛攻を仕掛けたが、その姿勢を示すべきはむしろホームの第 1戦だった。じっくりと反撃の機会をうかがったユヴェントスは、またしても D・アウベスが“イヤらしいスペース” に飛び込み、ピンポイントクロスを放り込んでマンジュキッチが得点。前半のうちにD・アウベスの鮮やかなボレーシュートで2点目を奪い、試合を決めた。

モナコはユヴェントスが最も警戒する不完全さを備えながら、それを生 かすことができなかった。第1戦の立ち上がり10分間で“構える”という選択肢を取ったことで、結果的にはユヴェントスの完全なる勝利を誘発した。

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