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進化は止まない LUNA SEA デビュー25周年 「夢の続きすでに始まっている」

6/3(土) 14:06配信

カナロコ by 神奈川新聞

 メンバー5人全員が神奈川県出身のバンド「LUNA SEA」が結成記念日の5月29日、東京・日本武道館でデビュー25年を記念するライブを開いた。

 〈進化は…止まない…〉

 「Metamorphosis ~Beginning part」で始まったライブは、冒頭からアクセル全開。1曲目の途中で音がやむと、ドラムの真矢(47)の背後6カ所から爆発音が響き、ギターのSUGIZO(47)らが舞台を囲む花道に飛び出して行った。

 「会いたかったぜ」

 昨年12月の埼玉公演以来の5人のステージ。求め合う思いは客席もステージも同じだ。

 「お前たちの声を聞かせてくれ」

 「Dejavu」では、ボーカルのRYUICHI(47)の思いに、1万4千人が声を上げた。解き放たれ、溶け合った「JESUS」、ライブハウス「町田プレイハウス」に出演していたアマチュア時代に生まれた「Image」は、2010年の東京ドーム公演以来の演奏。赤・青・黄。怪しげに混ざり合う色の中で、フードをかぶったRYUICHIが当時と同じように、鋭く目を光らせた。

 「歳を食うばかりじゃなく、クオリティーを上げたい。70(歳)になるころには、めちゃめちゃハードコアに」

 思いを音に。SUGIZOのギターが新しい扉を次々と開いていくような「The End of the Dream」では、走り続ける“いま”の5人をしっかりと体現した。

 「NO PAIN」では、上部にあったLEDスクリーンが舞台に降り、5人を囲んだ。映し出されたのは、子どもたちの笑顔。写真は昨年3月、シリアの難民が生活するヨルダンのキャンプに、SUGIZOとともに訪問したフォトジャーナリストの佐藤慧さんらが撮影したものだ。純真な笑顔の後に、戦場での爆発、全てを燃やし尽くす炎が続く…。SUGIZOのギターには「SAVE SYRIA」と記されている。ラストは子どもたちの歌声が会場を包んだ。

◆「30年先は見えなかった」

 「日本武道館に立つと神聖な気持ちになる」とRYUICHI。「町田プレイハウスで出会って、5人で結成して。絶対行ってやると思っていたけど、いまのこの景色は想像していなかった。さすがに30年先は見えなかった。みんなに感謝を込めて」と始めたのは、「I for you」。闇からすくい上げるような柔らかなSUGIZOのギターが、会場を満たした。

 「TIME IS DEAD」、「ROSIER」と最後まで手綱を緩めることはない。本編の最後は、1曲目の「Metamorphosis」の後半部分を披露。切り開いてきた道。そしてさらなる高みを目指して。風を信じ、振り向かずに、羽根を広げよう。
 「Take Off」と叫んだRYUICHIの背後に、自らの羽根をのびのびと広げ羽ばたく、真矢のドラムに描かれたペガサスが見えた。

◆「愛が必要な時代だから」

 本編を終え、アンコールまでの間は、結成記念を祝おうと、「ハッピーバースデー」の歌声が広がった。スマートフォンの光が、ケーキのろうそくのように会場に揺れる中、5人が再登場。RYUICHIは「むちゃくちゃきれい」と感激していた。

 会場をまばゆい光が照らした「Anthem of Light」は5人と観客。互いが光りの存在であることを感じさせた。

 〈手を合わせて 歩いて行こう〉

 制作中の新アルバムのテーマが「愛」であることを公表。RYUICHIは「愛が必要な時代だから。優しく、時にサディスティックに。オレたちしか作れない作品を届けたい」と思いを込めた。
 さらに、12月23、24日には、さいたまスーパーアリーナでライブを行うことを発表。「新しい夢の続きはすでに始まっている」と呼びかけた。

◆水素の恩恵、世界初のライブ

 SUGIZOが約2時間半にわたり演奏したギターやバイオリンなどのシステム、さらにコンサートグッズ売り場では、水素燃料電池自動車から電源を供給した。ライブで行うのは世界で初めて。SUGIZOは「きょうは、水素の恩恵を受けて演奏しています。環境や地球に良いエネルギーで、最高のパフォーマンスをしていきたい」と話した。

 ライブの終盤にSUGIZOが着用していた襟元にスワロフスキーが施された黒いマントは、ミャンマーで生まれ、8歳の時に家族と日本に政治難民として亡命したファッションデザイナーの渋谷ザニーがデザインしたもの。国連UNHCR協会の広報委員を務める渋谷とSUGIZOは対談経験もあり意気投合。渋谷は、ミャンマー民主化運動指導者のアウンサンスーチーが、ノーベル平和賞授賞式の衣装も手掛けている。