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住民自ら「LNG火発」学ぶ 静岡・清水区の地元自治会

6/4(日) 7:55配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 反対運動が起きている静岡市清水区の液化天然ガス(LNG)火力発電所計画を巡り、建設地近くの自治会が5月24、31の両日、反対住民グループの大学教授らと、事業者のJXTGエネルギー(旧東燃ゼネラル石油)を別々に招いて勉強会を開いた。暮らしへの影響、経済効果は―。メリット、デメリットを知ろうと近隣住民が集まった。



 ■大気への影響 

 住民の関心が高いのは環境問題だ。反対派は「二酸化炭素(CO2)が倍増し、高層住宅は高濃度のガスに包まれる」と主張する。

 一方、事業者は「高温の燃焼ガスを高速で噴き出す方式を採用し、煙突を短くしている」と説明。「300メートル上空で拡散するため市街地に吹き付けることはない」とする。



 ■清水設置の意義

 事業者は「浜岡原発の停止で県内の電力自給率は18%。静岡の安定電源になる」と設置意義を強調し「2千人規模の雇用誘発の経済効果もある」と語る。

 これに対し、反対派は「安定供給は建前で、ただのビジネス」と断じる。発電所の雇用は30人にとどまり「まちのイメージ低下など『負の経済効果』が上回る」とみる。



 ■“想定外”の対応

 反対派は「東日本大震災を経験し『想定外』のことを考えなければ」と訴える。1月に和歌山県で起きた東燃のプラント火災の記憶も新しく「対策に絶対はない」と指摘。

 事業者は「震災を教訓に、対策が見直されている。新知見を取り入れた基準への対応を重ねていく」とした。



 ■「もっと情報を」

 住民らは論点整理しながら双方の主張を聞き比べる形になった。地元主婦(68)は「自分の結論は出ていない。どちらの説明が正しいのかもっと情報がほしい」と話す。

 勉強会を企画した藤井真二宮代町自治会長(53)は「住民に関心を持ってもらうのが狙い。各地でまちづくりを考えるきっかけになれば」と取り組みの広がりを期待する。

静岡新聞社