ここから本文です

知事選まで3カ月 保守分裂、激しい前哨戦 支持団体、板挟みも

6/4(日) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

今秋任期満了となる知事選まで約3カ月となり、水面下での前哨戦が激しさを増している。これまでに立候補を表明しているのは2人で、無所属新人で会社役員の大井川和彦氏(53)=自民推薦=が、7期目を目指す無所属現職の橋本昌氏(71)に挑む構図。元官僚という経歴のほか、ともに保守系で支持層の多くが重なるため、双方に「推薦」を出すなど、支持を巡る板挟みの状態に悩む関係者や組織・団体も少なくない。今月中にも選挙日程が決まるとみられ、ほかの候補者擁立への動きとともに、各陣営の活動は本格化するとみられる。


■「チェンジ茨城」
自民党県連の梶山弘志会長は3月の県連定期大会で「橋本さんに恨みがあるわけではない」とし、元経産官僚の大井川氏擁立の理由として多選阻止を強調した。橋本氏を大会に招かなかった異例の判断について「覚悟の上で候補を立てた。呼ぶことも失礼だと思う」(田山東湖幹事長)と、対決姿勢を鮮明にした。

大井川氏は立候補表明後、知名度を上げようと、いばらき自民党所属県議の会合に出席するなどして、県内をくまなく歩いている。「チェンジ茨城」をスローガンに掲げ、世代交代を訴える。橋本氏との施策の違いを際立たせるため、リニア新幹線や医科大の誘致なども県内の活性化策に掲げている。


■「成し遂げたい」
一方、橋本氏は、自ら誘致した2019年茨城国体や20年東京五輪が控えることを踏まえ、「しっかり成し遂げたい」と7期目を目指す理由を説明。市町村長らが中心に支援、44市町村のうち約9割の市町村長や市町村議長が推薦に同意した。

加えて党県連最大の職域支部である県建設業協会(岡部英男会長)など、同党支持の団体の一部も立候補を要請し、推薦を行った。5月に同協会の総会に招かれた橋本氏は「自民党と対決するつもりはない」と強調し、保守系である自身の立場を出席者に印象付けた。

知事の職務に追われる橋本氏だが、各種団体の会合に小まめに顔を出すなど支持固めに余念がない。


■5期目以降推薦せず
ゼネコン汚職で前知事が辞職したことによる1993年の出直し選で、党県連は当時自治官僚の橋本氏の初当選を後押しした。橋本氏が4期目を目指した2005年の知事選では、多くの政党が、予算などで大きな執行権限を持つ首長の多選に歯止めをかけるため「推薦は3期まで」とする中、党県連は、橋本氏と政策協定を交わして推薦した経緯がある。

その後、党県連は、橋本氏が5期目と6期目を目指す09年と13年の両知事選では多選批判を繰り広げ、橋本氏の推薦を見送った。09年は元国土交通事務次官を擁立して対決したが、大差で敗れた。13年は党の独自候補擁立に至らなかった。

こうした経緯がある中で、ある団体の幹部は「自民党の職域支部として長年やっている中、知事陣営からも声が掛かる。正直、対応は悩ましい」とこぼす。大井川氏を推薦し、橋本氏にも出馬要請した自民系市議の一人は「苦渋の選択。選択肢をつくるのは大切で、最終的には県民に判断してもらうしかない」とした。

このほか、民進党県連は独自候補擁立を含め検討を重ね、同党の支持母体である連合茨城は今回も橋本氏を支援するかどうか、今月中にも態度を決めるとみられる。共産党県委員会も候補擁立の方向で選定を急いでいる。(黒崎哲夫、朝倉洋、成田愛)

茨城新聞社