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株式投資でも「タコ足配当」に注意 その配当金は大丈夫?

6/4(日) 16:40配信

ZUU online

企業が投資家に対して支払う「配当金」は、企業が事業活動により得た利益から支払われる。原則的には利益が出ていない企業は利益以上の配当金を払うことができない。

しかし利益が出ていない企業でも企業内にプールした資金や売却資産より配当を出すことがあり、これをタコ足配当と呼ぶ。タコ足配当を行っている企業は投資家から株を売られないために無理してでも、これまでの配当維持をする。しかし、本業が上手くいっていないのに身の丈以上の配当金を支払うのは本末転倒だと言えるだろう。

タコ足配当企業への投資を避けるための方法や投資先として筆者が注目している企業をいくつかご紹介しよう。

■タコ足配当企業が魅力的に見えることもある

タコ足配当企業は一見すると利回りが高く魅力的に見えることがある。

どういうことかというと、企業に利益が出ていないため株価は売られてしまい下落トレンドを継続するも、配当金は下げないために投資利回りが高くなるのである。

簡単にいうと、株価1000円のときに1株配当を10円出していたとすると利回りは1%。その後、業績悪化に伴い株価が500円になった時に上記配当10円を継続したとすると利回りが2%と倍になるのだ。ちなみに最終利益が赤字になったとしてもいままでの配当を継続している企業もちらほら見られる。

このような企業は突然無配(配当を無くす)にしたり、株主優待をなくしたりするため、結果的に株価がさらに下落し損失を出してしまうこともある。

■タコ足配当企業への投資を避けるためには

できれば十分な利益から配当を出している企業へと投資をしたいものだ。そこでタコ足配当企業への投資を避けるために「配当性向」を確認することをお勧めしたい。

配当性向とは、「利益に対してどれくらいの配当を出すかを方針として決めておくこと」である。

例えば、企業が活動して最終的に得た利益である純利益のうちの30%を配当に回すというように決めておくと、ある年の純利益が100億円だったならそのうちの30億円を配当にすることができる。次の年に利益が増えれば配当性向に従って配当を増やすことができるし、利益が減れば配当を減らすこともできる。

あらかじめ決められた数値があれば投資家もはたから見て「なぜその年はその配当金なのか」を理解しやすいのだ。

結局、この方針が明確に定まっていないから、これまで出した配当を維持するためにどうしたらよいかという企業の「無理」につながってしまうのだ。

■配当性向の具体例(東京エレクトロン、ピープル)

配当を健全に出している企業の一例として東京エレクトロンを紹介したい。同社のホームページによると配当について以下のように書かれている。

(1)配当は当期純利益にたいして配当性向50%で出すこととする。
(2)1株配当150円を下回ることのないようにするものの、2期連続で利益を生まなかった場合、配当の見直しを行うこととする。

上記のように企業が明確なルールを定めていれば投資家も見通しが立てやすい。実際東京エレクトロンは以下のように純利益増加に伴い配当を実施している。

28年3月期 1株利益 461円 1株配当 237円
29年3月期 1株利益 702円 1株配当 352円
(上記数値は東京エレクトロン29年3月期決算短信より)

配当を増やすことを増配というが業績の伸びると同時に配当が比例して増える企業の株価は投資家から高評価されることが多い。実際、東京エレクトロンの株価も長期的に上昇トレンドを描いている。

一方で配当性向を100%出す玩具メーカー・ピープル <7865> のような企業も存在する。配当性向100%ということはその年度の1株あたりの純利益と1株あたり配当の数値が一致するということである。

利益を完全に吐き出してしまうので、投資家にとっては賛否両論あるが、利益が出なくなれば全く配当は出しませんと明言しているため、配当方針としてはわかりやすいと言える。

■過去の配当履歴の確認を

過去何年かの利益と配当の結果は四季報や投資情報サイトで簡単に確認できる。少し手間を惜しまないだけでタコ足配当を行う企業なのか、そうでないかを知ることができる。

また企業のホームページを調べれば、配当に対する企業の方針が記載れていることもあるので参考にすることが大事だ。

いずれにせよ長期的な目線で投資を行う場合には、企業の株主還元(配当政策)のあり方に注意を払うことが大事なのである。

谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある。

最終更新:6/4(日) 16:40
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