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200ドルを手に上京…俳優・声優として成功への道のりって?津嘉山正種が語る【声優伝説】

6/4(日) 18:42配信

シネマトゥデイ

 俳優としてドラマや舞台などで渋い役柄を演じ、声優としてはハリウッドスターのケビン・コスナーやロバート・デ・ニーロらの吹き替えでおなじみの津嘉山正種(つかやままさね)さん。出身地である沖縄県から上京後、現在の地位を築くまでには苦労があっただけに、確固たる哲学を持つ。声優の仕事では「野心を持ってアテる(吹き替える)」と意欲をあらわにする津嘉山さんが、俳優・声優として歩んだ道のりを明かした。(取材・文:岩崎郁子)

■本土復帰前の沖縄から200ドルを手に上京!

 津嘉山さんが上京したのは、まだ沖縄が本土復帰前だった1964年。地元のテレビ局で番組制作に携わっていたが、ドラマ作りなどの役に立てたいと芝居の勉強をするために退社した。パスポートと1年間で貯めた200ドル(1ドル360円計算で約7万円)を持って決意の上京も、「養成所などの願書の締め切りがどこも終わっていてね。何も調べず、ただ“思い”だけで上京して、浅はかだったと反省しました」。それでも、知人に教えられた劇団青年座を受験。「70人くらい候補者がいて、3日間テスト。リズム感、音感、体操、そしてパントマイム……」とその内容を振り返る。面接では、故・山岡久乃さんから経済的な面について「アルバイトをしないとダメなのね」と聞かれたともいうが、「何とかします」と言い切り、研究生として所属が決まったそう。その言葉通り、夜はバーテンダーのアルバイトをしながら毎日レッスンに打ち込み、7年かけて劇団員になった。「3年で沖縄に帰るつもりでしたが、俳優として何か1つでも身につけてから、と意地で頑張りました」。

■声優集結!“コジャック会”って?

 舞台などで活動する一方、30歳頃からはアニメや映画、海外ドラマなどの吹き替えでも頭角を現していった。自ら代表作と言い、思い入れが強いのが1975年から日本でも放送された米ドラマ「刑事コジャック」。津嘉山さんは、主人公・コジャック(声:森山周一郎さん)の部下・クロッカー役を務めた。「初のレギュラーでしたが、収録では毎回、私がNGを出していましたね。慣れていなく若くて……でも、ストーリーもさることながら、役者の個性、カメラワークや編集など、本当にすてきな作品でした。随分と鍛えられました」。同ドラマのレギュラー陣による“コジャック会”もあったのだとか。「『コジャック』は良いチームでした。僕が幹事でね。積み立てして年に1回旅行をしていました。ドラマが終わっても、会は続いて、旅行中にコジャック(を演じたテリー・サヴァラス)の死去があり、献杯をしたことも……」と述懐する。

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最終更新:6/8(木) 15:28
シネマトゥデイ