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便利だけど、偏る ネットの落とし穴 モバプリの知っ得![8]

6/4(日) 12:30配信

琉球新報

インターネットの便利とお節介
 インターネット通販サイトなどで「あなたへおすすめの商品」などを見たことありませんか?

 利用者の購入・閲覧履歴を分析し、ぴったりのオススメ商品を紹介するという仕組みです。

 この画像は、私が通販サイトAmazonにアクセスすると出てくる「おすすめ商品」です。

 子ども向けの漢字ドリルと映画解説本を最近購入したので、それに関連した商品がオススメとして出てきます。

 こうした機能を「便利だな」と感じる一方、「監視されているようで気味が悪い」と思う方もいるかもしれません。

 今回はインターネットにおける「便利とお節介のはざま」な仕組みを紹介します。

今やネットに欠かせない「レコメンド」
 Amazonでは商品を購入・閲覧すると、それに近い商品がオススメとして出てきます。

 冷蔵庫を買った直後に違うメーカーの冷蔵庫をオススメされ「別に2つもいらないから!」となることもあります。

 また、デジタルカメラを買う時に「この商品を買った人はこんな商品も買っています」と、SDカードやカメラバッグ、レンズカバーなどがオススメされ、ついついセットで買ってしまうことも。

 このようにサイト側でユーザーの好みを分析し、オススメする機能を「レコメンド(勧める・推薦する)」と呼びます。

 通販サイトだけでなくGoogleやYahoo!などの検索エンジンも、好みを分析し、ユーザーごとに検索結果を変えてきます。

 Google・Yahoo!では、会員登録することで便利な機能が使えるようになるため、多くの人が会員登録をしています。そうすることで、ユーザーの検索内容、閲覧したサイトなどの情報を継続的に分析することができ、検索結果を調整することができます。

 さらには動画サイトYouTubeでも「あなたにオススメの動画です」とレコメンドを出しますし、ニュースアプリでもよく見るニュースの傾向を分析し、ニュース一覧が決まります。

 現在のインターネット・スマートフォンの世界では、このような「レコメンド」の仕組みが必要不可欠で、私たちが意識しなくてもネット側が忖度(そんたく)し、気持ちよく・スムーズにサービスを使えるようになっています。

ネットの進化 無意識に「偏る」情報
 今後レコメンド機能は、ユーザーデータの蓄積、AI(人工知能)技術の発展により、オススメの精度が加速度的に高まっていくでしょう。

 レコメンド精度が高まり、知りたい情報・欲しい情報にすぐにアクセスできるようになる一方、無意識のうちに情報が偏るデメリットも懸念されます。

 「検索エンジンの結果だから」、「ニュースのアプリだし」、「自分で調べたから『能動的に引っ張ってきた中立な情報』のはず」と思っていても、それらは全て自分自身に最適化された情報で、全く中立ではない、というような情報の偏りが高いレベルで行われるのです。

 一番怖いのは、こうした情報の変化が、ユーザーは「無自覚」なままに行われるということでしょう。みなさんが目にしているネット上の情報は、みなさん自身が過去にネットで見たものにどんどん偏っていくということです。そこに表示されているものは決して「他の大多数の人の意見」や「他の多くの人が見た情報」とは限りません。自分がいつも見ている当たり前の景色が実は当たり前でない、世間と景色が違う、ということに気がつきにくいということです。

 現在でもこうした傾向は世界的に見られます。「ポスト真実(真実から脱すること)」「オルタナティブファクト(取って変えられた事実)」という言葉は聞いたことがありますか? トランプ大統領が勝利した2016年のアメリカ大統領選を前後して、「フェイクニュース(嘘のニュース)」も広がり、事実に基づかない情報を信じてしまう下地が急速に人々の間に広がりました。

対策は「バランスを徹底的に意識する」
 こうした「情報の偏りへの対策」は、まずレコメンド機能の存在を意識するところから始めましょう。

「私の検索結果は、私に最適化されている」と自覚することが大事です。
 グーグルクロム、サファリ、インターネットエクスプローラなどスマートフォン・パソコンのブラウザアプリでは、検索結果の残らないシークレットモードという機能があります。この機能を使って検索すると、個人個人に最適化されない検索結果が表示されますので、定期的に使ってみて、シークレットモードとそうじゃないモードの時の「差」を感じてみてもおもしろいかもしれません。

 また日々の食事と同じく、情報もバランスを意識することが大事です。毎日好きなご飯だけを食べていると栄養が偏ります。


 特定のインターネットサイトだけでなく、さまざまなサイトを見る。

 新聞や雑誌、本・TVなどさまざまなメディアから情報を取り込むことも大事です。また、同じニュースでも新聞社ごとに論調が全く違うので、読み比べることでいろいろな考え方、受けとめ方を実感できます。

 情報が溢れかえった現代、気を抜くと一気にバランスを欠いて「偏り」、最終的に「ポスト真実」に突入します。

 そうならないために、日々情報の「偏り」を意識し様々な情報に触れる。そうした姿勢で情報収集を繰り返していきましょう。


 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」6月4日付けでも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。



【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

http://smartphoneokoku.net/

 


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琉球新報社

最終更新:6/4(日) 12:30
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