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暗闇の中、72年前に思い巡らす 金武町児童が戦跡めぐり

6/4(日) 13:14配信

琉球新報

 【金武】平和学習「金武・やんばるの戦跡めぐり」(主催・金武町公民館連絡協議会)が4日、実施され、金武町や北部地域の戦跡を訪ねた。参加したのは町内の小学4、5、6年生の25人で、協議会や町教育委員会の職員が案内した。児童らは戦跡や関係する資料館の計11カ所を回り、戦時中や戦後に北部地域で起きた出来事を学んだ。
 連絡協議会は毎年、慰霊の日の前に戦跡巡りを開催してきた。これまでは沖縄戦の激戦地である本島中南部の戦跡を案内していた。しかし地元の北部地域の戦争を学ぶ必要があるとして、今回は北部地域の戦跡を巡ることになった。
 町教育委員会の玉元孝治さん(32)は「沖縄戦は中南部の話はよく聞くが、北部にも戦禍が及んだことはあまり知られていない。今回の学習をきっかけに地元で何が起きたのかを知ってほしい」と地元を巡る意義を語った。
 金武観音寺の敷地内にある金武鍾乳洞は戦時中、中南部から避難してきた約千人の住民が身を隠していた。児童らは懐中電灯を持って入り口から階段で奥へと下り、水たまりが点在する広い空間にたどり着いた。
 「明かりを消してください」
 案内人が呼び掛けると、児童は懐中電灯の明かりを消した。すると何も見えない深い暗闇に包まれ、天井からしたたり落ちる水滴の音だけが周囲に響き渡った。
 真っ暗な空間に耐えられなくなった児童らが「怖い」「はやく電気付けて」と声を上げ始めたころ、再び明かりがともされた。
 嘉芸小5年の伊芸煌さん(10)は「戦時中に真っ暗な鍾乳洞の中で多くの人が生活していたことに驚いた。苦しみながら生き抜いた昔の人はすごいと思った」と話した。
 吉山怜良さん(10)=嘉芸小5年=は「大変な状況の中で生き抜いた人たちに感謝している。今後は戦争で亡くなった人たちのことも思いながら生活していきたい」と感想を述べていた。【琉球新報電子版】

琉球新報社

最終更新:6/4(日) 13:14
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