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避難12市町村消防団の広域連携支援 復興庁と福島県

6/4(日) 10:36配信

福島民報

 復興庁と福島県は東京電力福島第一原発事故の避難区域が設定された12市町村の防災体制を強化するため、消防団の広域連携を支援する。団員確保や火災・災害で団員を派遣し合う仕組みなどを新たな専門会議で検討する。地域で住民の帰還状況に差がある中、自治体間の連携で防災力を補う体制をつくる。3日に福島市で開かれた12市町村の将来像に関する有識者検討会で示した広域連携重点6分野に盛り込んだ。
 消防団の体制強化として、火災や水害、地震などが発生した際に被災地域に各市町村の消防団員が出動する協力体制などを想定。災害規模や自治体の消防団員数に応じて出動する範囲を設定する。団員の確保や訓練・指導の体制、資機材や設備を共有・管理する連携も視野に入れる。将来的な消防団の再編も検討する。
 今年度は福島県と12市町村が消防団の広域連携支援会議を設立する。国、福島県、市町村の職員、防災の専門家らが国内の広域連携事例を参考に今後の体制を協議する。12市町村の消防団員の意向や地域ごとの課題も調査し、年度内に具体的な指針を策定する。
 避難指示区域が設定された12市町村は田村、南相馬、川俣、広野、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘。12市町村の昨年4月時点の消防団員数は4794人で、震災前の22年より1割少ない。実際に地元に帰還し、活動している団員数はさらに少ないとみられる。
 福島県浪江町の帰還困難区域で4月下旬に発生した山林火災は12日間にわたって燃え続け、消火活動や消火体制の在り方に課題を残した。団員の人材不足が深刻化する中、消防団関係者からは「12市町村の周辺自治体にも連携を広げる必要がある」との指摘もあり、実効性のある体制づくりが課題となる。
 検討会に出席した吉野正芳復興相(衆院本県5区)は「地域防災だけでなく、絆を保つ面でも消防団の果たす役割は大きい。重点的に取り組む」と話した。内堀雅雄知事は「住民の帰還促進に向けて安心を実感できる地域づくりが重要だ」と述べ、協力する考え示した。

■復興庁が12市町村の広域 連携を支援する重点6分野
○消防団の広域的な連携・協力に関する調査事業
○交流人口拡大に向けた広域連携モデル調査事業
○先進的な教育の推進に向けた「ICT教育コーディネーター」モデル事業
○Jヴィレッジ「復興シンボル」中核拠点化に向けた体制構築事業
○福島ロボットテストフィールド周辺地域の居住・滞在環境の確保・整備に関する調査事業
○広域連携によるイノシシ被害対策に関する調査事業

福島民報社

最終更新:6/4(日) 10:56
福島民報