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愛車を磨く-夕涼みがてらのマニアックな楽しみ方

6/4(日) 21:35配信

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お父さんのやり方を真似るように、慣れない手つきでタイヤを洗う小さな男の子。その隣では、かがみこんでボンネットに映り込む青い空を確認しながらワックスの拭き上げに熱心な青年。これからどこかへ出かけるのだろうか、2人で手際よくスポンジ片手にボディを泡まみれにさせて楽し気な若い男女。

これは第三京浜港北インターチェンジを降りて、自宅のある大倉山への帰り道にいつも見かける「コイン洗車場」での光景だ。

造成地の中に点在していた思い出の「コイン洗車場」

東急池上線の石川台~洗足池という都内にしては長閑な城南エリアに育ち、若いころから何処へ行くにもクルマで出かけることを常としていた私にとって、買い物や食事といえば駐車場探しに苦労する都心方面よりも、すぐにアプローチできる第三京浜を使って横浜~横須賀~三浦~葉山~逗子~鎌倉といったエリアに足を伸ばすことのほうが多かった。

特に行って帰ってのクルッとひと回りが約1時間の港北ニュータウンエリアは格好のドライブコースで、今から三十ウン年前のアルバイト代をすべてクルマにつぎ込んでいた学生の頃、ありとあらゆる野山がブルドーザーによって造成され、土肌をさらした予定地をまっすぐに突き抜ける立派な複線道路は、自分の好きなペースで愛車を流せる理想的なルートであった。

当時このエリアは横浜市港北区の一部であり、おそらく住所もざっくりとした地名と四桁の地番だけで表示されていたと思われ、まさかその数十年後に横浜市都筑区という新たな行政区を生み出すほどの大きな街になるなんて想像してもいなかった。

そんな何もない造成地だらけのエリアであったが、なぜだか極めて早い時期から点在していたのが「コイン洗車場」。覚えているだけでも港北インターチェンジ付近に4カ所はあったはず。

当時自宅近くの月極駐車場に野ざらしで愛車を保管せざるを得なかった私にとって、思う存分念入りに洗って、納得いくまでワックスがけを堪能できたのは、このコイン洗車場をおいて他にはない、まさに憩いの場であった。

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最終更新:6/18(日) 23:00
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